Life in California
ライフ in カリフォルニア/日常生活
Life in California ライフ in カリフォルニア
2006年04月26日

とかくアメリカは住みにくい

アメリカという国は、いいところもたくさんあるんです。が、とかく住みにくいものでして、住んだ日数だけ不満がたまっていくようなものなのです。

なぜって、何ごとも一度ではうまくいかないからです。一回でピシャリ、そんなことは、妄想でしかないのです。


今悩んでいるのが、自宅に作ろうとした書斎棚です。作り付けの棚を壁一面に置き、仕事とエンターテイメントを兼用する便利なスペースを作り出そうと考えているのです。机、本棚、ファイル用引き出し、そして薄型テレビや音楽機材など、なんでも置ける万能棚です。

これができればさぞかし便利だろうと、昨年の11月の初め、あるクローゼット会社と契約を結びました(クローゼットというのは、もとは「戸棚」とか「押入れ」という意味ですが、アメリカには、オフィス用、寝室用、ガレージ用と、さまざまな作り付けの棚を入れてくれる会社がいっぱいあるのです)。

ついでに、居間にも、CDのコレクションを収める引き出しと、飾り棚を作ってもらおうということになりました。ぽっかりと空いたスペースがあるので、そこにきっちり棚を入れてもらおうという計画です。


勿論、材料を注文したり、実際に戸棚を作製したりと、ある程度の時間がかかるのはわかります。けれども、とにかく何ごとに関しても時間がかかり過ぎるのです。

問題はすぐに発覚します。まず、小手調べのCDの棚が、スペースに入らないのです。デザイナーが寸法を測り間違えたせいでした。

ようやく寸法が合ったと思ったら、今度は、インストール(取り付け)の際、担当者が傷はつけるは、ヒンジが曲がっているは、まったく使い物になりません。
 おまけに、CDが入るようにちゃんと仕切りを入れてちょうだいと頼んだら、何ともお粗末な、スペースの無駄使いでしかないプラスチックの台を入れてよこしました(写真は4回目のトライで未完成の棚。ペタペタ貼ってあるのは、問題の箇所の目印)。

文句を連発した末、仕切り板を入れただけの、すっきりした引き出しを作り直してくれました。なかなかの職人芸です。インストールも、マネージャ自身にやってもらったので、傷もなくうまく行きました。が、これはなんと、6度目の正直です。気が付いてみると、年も明け、もう2月中旬でした。


なんということもない、単純な棚でこうなのですから、書斎・エンターテイメント棚は一筋縄じゃ行かないことくらい、予想はついていました。しかし、こんなに辛い行程だとは。

年末・年始は日本で過ごす計画だったので、契約を結んだ際、戻ったらすぐにインストールを始める約束をしました。ところが、実際、材料を運んで来たのは、1週間後。なんだか雲行きが怪しいなと思いながら、それでも、なんとか少しずつ形になっていきました。

しかし、ちゃんと机も入れ、大枠ができた段になって、柔らかい木の部分に無数の傷がついているのがわかり、一度全部解体して、塗料を塗りなおし、もう一度組み立てる必要が出てきました。インストールの担当者が、腰にぶら下げた道具で、ガンガン傷つけていたようです。

当初は3日間でインストール完了などと言っておきながら、3日経ってみると、3歩進んで3歩下がるような状態です(インストール3日後、嬉しくて写真を撮ったのも束の間、翌週すぐに解体作業となりました)。


と、こんな調子なのですが、契約が成立して6ヵ月間の長い、苦しいプロセスを要約しますと、外注した扉の寸法は間違うし、すべての木のパーツは、インストールしたあとに塗り直しや作り直しが必要となりまして、結果として、まだ完成していません。

まあ、ひとことで塗り直しなどと申しましても、一度ヤスリで全部塗料を落とした後、丁寧に塗り直すのです。彼らだって、仕事は他に山ほど抱えています。優先的にやってもらうには、それ相当の交渉も必要なのです。

そして、現状は、こんな感じ。何がしかの前進があったのは、もうひと月以上前のことです(写真をご覧になってわかるように、上の写真からはほとんど進展がありませんよね)。

でも、当分の間このままなんです。

なぜって、2週間ほど日本に行っている間に、このクローゼット会社が雲隠れしてしまったからです!

実は、仲良くなったインストールのマネージャから、事あるごとに、この会社は危ないことを聞いていたので、日本に行く前日、「お願いだから、わたしが日本に行っている間にいなくならないでね」と念を押しました。「訓・Discipline(鍛錬)」と両腕に派手なタトゥー(刺青)を施した彼とは、妙にウマが合ったのです。けれども、彼ひとりの力では、どうしようもなかったようです。
 「あ〜、日本に行かずに、さっさとインストールを終えていたら」と後悔しても、後の祭。


今はどうしているかってお思いでしょう。このクローゼット会社の親会社から紹介された、直属の子会社と交渉中なのです(逃げた会社は、単なるフランチャイズで、素人のオーナーがやっている、小さな個人経営の店でした)。
 悔しいことに、夜逃げした店の倉庫には、うちのパーツがきちんとした姿で入っていることはわかっているのに、誰も鍵を持っていないので、パーツを取り出すことができないのです。ということは、必要なパーツは一から作り直し。

あちらさんは、状況は同情に値するけれど、こっちだって商売なんだから、そんなにオマケはできないよという態度です。
 こちらも“That’s outrageous (それってぼったくりでしょ)!”と叫んでみたり、“Can’t you come down a little bit more (もうちょっとオマケできな〜い)?”と猫なで声を出してみたり、必死に応戦します。

もう一声!とねばるこちらに、あちらも500ドル下げてきたので、めでたく手打ちとすることにいたしました。きっと「あんたも tough cookie(手ごわいネーチャン)ね」と言いたかったのでしょうが、そこは紳士。黙って笑います。
 まあ、もともとの契約よりもちょっと高くなりますが、仕方がないでしょう。他のクローゼット系列会社とは、ヒンジも何も違うのですから。そして、こちらも力尽きているし。

お店が逃げたなんて唖然としてしまいますが、比較的なんでもしっかりしているカリフォルニアでも、こんなことは起こるんですねぇ。

いつの日にか、完成をご報告できればいいなと願っているところです。


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