Life in California
ライフ in カリフォルニア/日常生活
Life in California ライフ in カリフォルニア
2013年04月09日

カリフォルニアでドライブ~気をつけたい点(3)

今回は、「カリフォルニアでドライブ」三部作の最終話。ちょっと気をつけなければならない、特殊な車線のお話をいたしましょう。

まずは、「カープールレーン(carpool lane)」。フリーウェイ(高速道路)で見かける特殊な車線の代表例でしょうか。

「カープール」というのは、家族や同僚など何人かで車をシェアして通勤・通学することですので、「カープールレーン」は、人がたくさん乗った車を優先する車線のこと。

渋滞する通勤時間帯は、ある人数(2人か3人)以上乗った車しか通れない車線のことですね。通常、一番左側の追い越し車線がカープールレーンに指定されています。

以前もご紹介したことがありますが、きらびやかに「ダイヤモンドレーン(diamond lane)」とも呼ばれます。ダイヤモンドと言いながら、上の写真のように、「菱形」の模様が目印として路上に描かれているだけなんですけれどね。

通勤・通学することを「コミュート(commute)」と言いますので、カープールレーンは「コミューターレーン(commuter lane)」とも呼ばれています。

こちらの写真は、「バス・コミューターレーン(Bus Commuter Lane)が、あと2分の1マイルで終わりますよ(Ends 1/2 Mile)」という看板です。そう、ここまでスイスイと運転してきた車に、「この先は混みますよ!」と注意をうながしているんですね。


サンフランシスコ・ベイエリアでは、基本的に午前5時から9時、午後3時から7時が、カープールレーンの適用時間帯(carpool hours)となっています。

おもしろいことに、この時間帯には「フリーウェイに入るのは一台ずつ」と制限されているところも多く、こちらの写真のように、フリーウェイの入口に信号(metering light)が付いている場所もあります。

このような場所には、入口の手前に「Meter On」という電光掲示板があって、「信号を使っていますから、ゆっくりと進んでください」と、ドライバーたちに注意をうながしています。

言うまでもなく、信号がからに変わると「ゴーサイン」ですが、こういうときには、ちょっとしたカーレーサーになった気分でしょうか(写真では、左右両方に信号が立っていて、左の信号が青に変わっています)。

ま、ブ~ン!とレーサー気取りで急発進したところで、道は混んでますから、あんまり意味はないんですけどね(と言いますか、ちょっとむなしくなるかも)。


そして、近頃、カープールレーンは「HOV(エイチオーヴィー)レーン」と呼ばれることも多くなってきました。

HOVというのは、High Occupancy Vehicle の略で、「たくさん人が乗った車」という意味です。ですから、HOVレーンは、基本的にはカープールレーンと同じだと思ってくださって結構です。

それで、このように「HOVレーン」という呼び名が好まれるようになった背景には、ある理由があるのですね。

それは、道路状況が厳しくなってきて、今まで無料で通れたフリーウェイ(freeway)が、「有料ハイウェイ(toll highway)」化しているということです。

サンフランシスコ・ベイエリアは、ロスアンジェルスと並んで、アメリカで渋滞のひどい「トップ5」に入っていますので、朝晩の通勤ラッシュは、東京の首都高を思い浮かべるほど深刻なものとなっています。

人口は(ベイエリアと呼ばれる9郡で)7百万人くらいですので、3千万と言われる東京首都圏とは比べものにならないくらいに少ないです。

が、なにせ幹線道路が少ない!

だいたい人は南北に動くのですが、サンフランシスコ半島を南北に縦断するフリーウェイ(高速道路)は、国道101号線(U.S. Route 101)と州間高速道路280号線(Interstate 280)の二本しかありません。
(地図の赤い道路は、カリフォルニア全体を縦断する101号線。カリフォルニアを北へ、オレゴン州、ワシントン州と結ばれています)

そして、この二本のフリーウェイに加えて、サンフランシスコ湾の東側を縦断する高速道路、州間880号線(Interstate 880)や、680号線(Interstate 680、地図)があります。

近頃は、ベイエリアの北東部に向かって、どんどん住宅地(bedroom community)が伸びていますので、880号線や680号線を使って通勤・通学する人たちも増え、混雑も深刻化しています。

そこで、680号線の一部区間などでは、HOVレーン(カープールレーン)を有料化する動きが出てきました。

この「有料HOVレーン」は、「HOT(ホット)レーン」とも呼ばれています。

HOTというのは、High Occupancy Tollの略ですが、HOVレーン(カープールレーン)であっても、通行料(toll)を払えば、ひとりだって通れる(!)制度のことです。

つまり、「週日、渋滞を避けてスムーズに運転したいんだったら、みんなで車をカープール(シェア)するか、お金を払いなさい!」というシステム。

(上の写真は、680号線の一区間ですが、週末でHOTレーンが適用されないので、「Open to All(全員に開放)」というランプが点いています)

こちらの写真では、車線の上にカメラが設置されていますが、『FasTrak(ファストラック)』というETCシステムで自動支払いするようになっています。

2人以上乗っている車は、週日でも料金を支払う必要はありませんので、間違って徴収されないように『FasTrak』の機械は隠しておくように、とのことです。

ひとりで運転する場合は、込み具合によって料金が変化するそうですが、週日(午前5時から午後8時)に680号線のHOTレーンを通ろうとすると、30セントから6ドルの料金を払うことになっています(有料区間はそんなに長くはないので、6ドルというのは、アメリカの有料道路としては、かなり高めに感じますね)。

こちらの「Express Lane Entrance」という看板は、HOTレーン(ここではExpress Laneと呼ばれる)の入口を示しています。べつに壁があるわけではなくて、単に白線で区切られた車線がHOTレーンになっているんですね。ですから、つい、ふらふらっと入らないように要注意なのです。

このHOTレーン制度は、サンフランシスコ・ベイエリアでは、今はまだ680号線の一部区間(南下方向のみ)など、限られた地域で試験的に行われているだけです。でも、道路の状況が年々悪化することを考えると、これから先、どんどん広がっていくことでしょう。

実は、この制度が始まる数年前に、住民へのオンラインアンケートが行われたので、わたし自身は「反対」の意思表示をしていました。なぜなら、お金を払っても構わない人(つまり「お金持ち」)を優遇するような制度に感じられたから。

けれども、地方財政はずっと厳しい状態が続いているし、払える人に払ってもらって行政の「収入」が少しでも増えれば、最終的には、住民のためになるのかもしれませんね。

蛇足ではありますが、ちょうど一年前に開通した880号線から237号線へのHOTレーンは、最初の一年で「利益」を出したそうです。
 ミルピータス市からサンノゼ市北部を結ぶこの路線は、ベイエリアでもっとも混雑する箇所ですが、カープールレーンを利用する2割のドライバーがHOTレーンの料金を支払い、90万ドル(約8千6百万円)の収益から40万ドル(約3千8百万円)の利益を生み出したそうです。

3年前に開通した680号線のHOTレーンも、だんだんと利用者が増えているそうで、国道101号線や州道85号線(State Route 85)と、シリコンバレーの真ん中を走るフリーウェイにも、2018年までには有料車線が登場する予定です。


というわけで、三回にわたってカリフォルニアの運転のお話を書いてきましたが、カリフォルニアに限らず、アメリカでは車の運転は必須となってきます。

ですから、出張や観光で一時的にいらした方ばかりではなく、こちらに引っ越された方でも、運転の「試練」に立ち向かう方もいらっしゃることでしょう。

中には、「今まで日本ではペーパードライバーだったから・・・」とか、「フリーウェイはスピードが速過ぎて・・・」と、尻込みなさる方もいらっしゃることでしょう。

ここで大事なことは、身近な場所の運転を繰り返して、運転の感触に慣れることではないでしょうか。

自分の車(車幅や長さ、死角の大きさ)に慣れるとか、右折、左折をするときには、どこに注意を向けなければならないか、とか。

残念ながら、アメリカでは「フリーウェイは怖いから通らない」というのは現実的ではありませんので、高速道路にトライすることも出てくるでしょう。そんなとき、あくまでも自分がコントロールできる範囲以上のスピードは出さない、というのもコツではないでしょうか。

たとえ「あの人、トロくさいわねぇ」と白い目で見られようと、「早く行ってよ!」とクラクションを鳴らされようと、自分が「危ない」と判断したならば、その直感(instinct)に従うべきでしょう。

最終的に責任を持つのは、ドライバーである自分です。「あの人が『行け』と言ったから・・・」というのは、理由にはなりませんよね。

もし赴任なさる方で、ご自分の運転に自信がなければ、ドライビングスクールを何時間か取ってみるのもいいアイディアかもしれませんね。個人経営のドライビングスクールが多いので、数時間単位で自信の無いところだけ教えてもらえると思いますよ。

わたし自身も、先生が隣に乗ってくれているだけで、安心して試運転を楽しむことができました。第一日目から、いきなりフリーウェイを運転させてもらいましたが、何も恐くはありませんでした!

第一、カリフォルニアのフリーウェイを運転していると、「これぞドライブ!」って感じがするんですよねぇ(もちろん、混んでないときの話ですけれど)。


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