Life in California
ライフ in カリフォルニア/歴史・習慣
Life in California ライフ in カリフォルニア
2012年06月26日

レストランのメニュー

今日は、アメリカのレストランに行ったら、こうした方がいいんじゃないかな? というヒントを、ひとつご紹介いたしましょう。

それは、メニューを見て何を注文するかが決まったら、メニューを閉じて、テーブルの上に置くということ。

なんとなく単純な話にも思えるのですが、これをやらないと、いつまでもオーダーを取りに来てくれないケースもあるのですね。

メニューを開いた状態でテーブルに置いたり、メニューを手に持ったりしていると、「あ~、あの方はメニューを見ながら、まだ迷っていらっしゃるんだな」とウェイター(ウェイトレス)が気を利かせて、わざとオーダーを取りに来ないのです。

人によっては、ドリンクのオーダーを取ったあと、「何かメニューに関してご質問がありますか?(Do you have any questions about the menu?)」と、相手の表情をさぐりに来る場合もあります。

ドリンクを持って来たあと、「お決まりになりましたか? それとも、もう少しお時間が必要ですか?(May I take your order? Or do you need more time?)」と、様子をうかがう人もいます。

けれども、それも人それぞれで、「高級レストラン」と自負するお店では、あまりお客をせかさないのが習慣となっているようです。


元来、西洋人って、メニューを眺めている時間が長いんですよね。

何をあんなに迷っているんだろう? と、こちらが心配になるほど、じっくりと熟考なさるんです。たぶん、料理のことを考えながら、いろいろと迷うのが楽しいのでしょう。

ですから、そんなところでは、「お客をせかさない」のが礼儀なんですね。

決して、ウェイターが「お客を無視している」わけではありませんので、その辺は日本とは違うんだ、と理解していただければ良いと思うのです。

ま、どちらかというと日本人はせっかちですので、「早くオーダーを取りに来てよ!」と思うこともありますが、そういうときには、ウェイターに目くばせをするとか、軽く手を挙げるとか、何かサインを送ってあげればいいのはないでしょうか。

そういう場合でも、あくまでも、メニューは閉じておくことをお勧めします。


それで、ふと思い出したのですが、メニューに関しては、ヨーロッパでおもしろい体験をいたしました。

イタリアに旅したとき、トスカーナ地方を散策したあと首都ローマに立ち寄ったのですが、ここではトスカーナでは味わえないような「高級感あるイタリア料理」を試してみることにしました。

選んでみたのは、ガイドブックにも載っているような老舗の名店で、美しい店内にうやうやしく案内されると、隣のテーブルには、新婚旅行らしき日本人カップルもいらっしゃいました。

真っ白なテーブルクロスの席に着いて、メニューが手渡されると、困ったことに、心配ごとがふたつ出てきました。

ひとつは、どれくらいの品数を頼めばいいのかわからないこと。

イタリアのレストランって、量が多い印象があるでしょう。アンティパスト(Antipasto、前菜)、プリモ(Primo、パスタやリゾットなどの温かい一品)、セコンド(Secondo、肉や魚のメインディッシュ)と並んでくると、プリモあたりでノックアウトされそうなイメージが。

そして、もうひとつ困ったことに、メニューには値段が書かれていなかったのでした!

これには、さすがのわたしも、「え、すべてがマーケットプライス(market price、その日の仕入れ値)なの?」と、冷や汗をかいてしまったのです。

ちらっと連れ合いに目をやると、なにやら落ち着いた表情でメニューを吟味していて、協議の結果、コース料理はやめにして、前菜とメインディッシュ、デザートにしようよと合意したのでした。

で、お料理を楽しんでいる間は、値段のことなんか忘れて(忘れるように努力して)お皿の上の芸術に集中していたのですが、お店を出たあと、値段の無いメニューの話をしてみたのです。

すると、連れ合いは、こう言うではありませんか。「いや、僕のメニューには、ちゃんと値段が書いてあったよ」と。

なんと、イタリアの名店では、レディーにお出しするメニューには、値段を書かない習慣があるらしいんですね!

アメリカでは、そんなお店は極端に少ないし(その後、一度か二度アメリカでも経験しました)、だいたい、世の中に「レディーにはお金の心配をさせてはいけない」という気配りが存在することを知らなかったので、いや、ヨーロッパは違うものだと、ひどく感心したのでした。

この旅のあと、大阪のホテルのイタリアンレストランで、同じように値段の無いメニューを手渡されましたが、もう大丈夫!

冷や汗をかくこともなく、落ち着いてメニューを選べました(だって、値段がわからなければ、好きなものを頼むしかないでしょう?)。


それにしても、残念なことに、あのローマの名店では、「もう洋食はあまり食べたくない」状態だったので、凝ったお料理も少ししか頼みませんでした。

前菜二種にメインディッシュとデザート一品ずつを、ふたりでシェアした記憶があります。が、これは、よく我が家が使う手なのですね。

西洋料理は一皿が大きいし、とくにアメリカのレストランでは、メインよりも前菜の方がおいしかったりするので、前菜をたくさん頼んで、メインは減らす(シェアする)方法もありかと思うのですよ。

だって、自分の食べたいように品数を構成するのも、料理を楽しむ秘訣ですからね。

それでも、あのローマのお店では、隣の日本人カップルの方は、ステーキ付きのコース料理をがっちり頼んで、それを全部たいらげていらっしゃいましたね。

まさか無理をなさったわけではないでしょうが、あれだけ食べられるなんて、頼もしい限りなのです!

追記: レストランの写真は、サンフランシスコのパレスホテル(Palace Hotel)という老舗ホテルにある「ガーデンコート(Garden Court)」というレストランです。
こちらは、19世紀末に建てられたホテルの一階フロアの真ん中にあって、ガラス天井からは優しい光がふりそそぐ、雰囲気の良いお店なのです。
 サンフランシスコの名所であり、優雅なアフタヌーンティーでも有名です。

そして、お料理の写真は、最初のサーモンがガーデンコートのランチメニュー、次のキャビアがANAの国際線機内食。
 最後の和食は、東京・港区麻布十番にある「かどわき」という季節のおまかせ料理店の一品です。
 写真は、平目の薄切りにトリュフのスライスがのったもの。香りよいサマートリュフを平目でくるっと巻いて、こだわりの塩をかけていただきます。

まさに、「日本に生まれてよかった!」と実感するひとときですね。


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