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2011年12月05日

慣れないティップの習慣 ~ オリエント急行編

アメリカ編、ヨーロッパ編と続きましたが、ティップのお話の最終話となります。

まったく、ティップなんて、そんなに欲しいのなら「どこでも10パーセント!」と割り切ればいいのに・・・と思ってしまうのです。

そうすれば、何パーセントかな? と悩むこともないし、いちいち計算しなくても済むでしょう。

実は、そうやっていらっしゃるのが、イギリスですね。

いちいち10パーセントをいただくのもメンドくさいので、最初から10パーセントを足してあるレストランも多いです。

問題は、そうしている所と、そうでない所が混在しているので、お店の方に確認するのがいいのかもしれませんね。

「サービス料って入ってますか(Is service charge included)?」と聞くと、べつにイヤな顔もせずに教えてくれます。


それで、今回ヨーロッパに旅立ったとき、一番気になったのが、「オリエント急行のティップ事情」でした。

だって、由緒正しい、歴史ある列車の旅でしょう。もし失礼なことがあったら、乗客としても恥ずかしいではありませんか。

けれども、オリエント急行の主催者側は、こんな曖昧な言い方をしているのです。

「ティップに関しましては、まったくあなたのご判断にお任せいたします(Any gratuities you wish to give are entirely at your discretion)」
 
 というわけで、旅立つ前に、いろいろとネットで調べておいたのですが、どうやら、ティップを差し上げる場面は、二通りあるようなのです。

まずは、レストランで給仕をしてもらったとき。

わたしたちのルートでは、ディナーと翌日のブランチがあったのですが、そのつど飲み物代を清算するので、そのときに20%ほど足しておけばいいもののようです。(食べ物代は乗車料金に含まれているので、飲み物代を追加分としてテーブルで清算します。)

わたしたちはディナーのときにカードを持ち合わせていなかったので、ブランチでまとめて清算したのですが、「ティップは、これ(飲み物代の2割ほど)でいいのかな?」とウェイターの方に聞いたら、「ああ、十分だよ」との答えが返って来ました。

まあ、あまり堅苦しく考えずに、「心からの金額」でいいようではありますね。

ちなみに、「乗客ひとりにつき20ユーロを最後の食事で払う」という説もありました。が、やはり「パーセント方式」の方がいいんじゃないかと、我が家は判断いたしました。

いずれにしましても、メートル・ディー(ヘッドウェイター)の方が、ウェイターの方々にティップを分配する方式だと思いますので、あんまり少額でもよろしくないのかもしれませんね(写真は、各客室を訪ね、ディナーの希望時間を聞いて回るメートル・ディーとウェイターの方)。

それから、わたしたちは利用する暇がなかったのですが、バー車両でシャンパンやカクテルを飲んだときにも、清算するときにティップをいくらか追加すればいいのでしょうね。

たとえば、バーで食前酒を飲んだ場合は、そのあとのレストランのお食事で清算することもできるでしょうし、食後酒を楽しんだ場合は、翌日のブランチで清算してもいいのでしょう。

ですから、支払いのときにいくらか足しておけば、失礼はないでしょう。


そして、レストランに加えて、寝台車でお世話をしてくれた係員(steward)の方にもティップを差し上げます。

こちらは、忘れるとちょっと失礼になるかもしれませんね。

ひとつの車両には係員ひとり(とアシスタント?)がついているのですが、9つほど部屋があるので、これを全部世話するとなると、とっても大変なようですよ。

だって、発車前のシャンパン、午後のアフタヌーンティー、二段ベッドの準備、翌朝の朝食、ベッドの片付け、手荷物の運び出しと、それはもう、かいがいしくお世話をしてくれるのですから。
(こちらの写真は、各車両の端についている係員の座席。朝食の時間になると、ここに座って待機していて、客室のドアが開けられたら、すぐに朝食のトレーを持って来てくれるのです。)

そんな係員にティップをいくら差し上げるかには、いろんな説があるようです。が、我が家は、イギリスの新聞が掲載していた「ひとり20ユーロ、ふたりで40ユーロ」を採用いたしました(列車上では、通貨は「ユーロ」となっています)。

しかも、伝統的なやり方だと、封筒に入れて、降りるときに座席に置いておくというのです。でも、わたしたちは、預けていたパスポートを係員のクラウディオが持って来たときに、「ありがとう」と、封筒に入れた40ユーロを差し上げました。

まあ、手渡しの方が、「ありがとう」を言いやすいですからね。

すると、クラウディオは、「あなた方みたいに、お客がみんないい人だといいんだけどねぇ」と、愚痴みたいなことを言うんですよ。

あとで、「べつに何をしたわけでもないのにね」とふたりで話したのですが、もしかすると、その「何もしなかった」ところが好かれた理由かもしれません。乗客は、わりと高齢の方が多いことでもありますし、いろんな要求をなさる方が多いのかもしれませんね。

降りるときにも、「これから、またすぐにイタリアのヴェニスにとんぼ返りだよ」と、ちょっとうんざりしたような口調で報告してくれるのです。普通は、「これからどこに泊まるの?」とか、多少は乗客に媚(こび)を売るところなのに・・・。

けれども、クラウディオくんは、そんなことはどうでもいいから、ちょっと聞いてよ! といった感じなのでした。きっと、わたしたちが若く見えたので、友達感覚で言ってみたかったのかもしれません。

そういうわけですので、華々しいサービスの陰には、裏方さんのご苦労があるのですね。

ですから、街角のレストランでも、オリエント急行でも、ティップは忘れてはいけないんだな、と思ったのでした。


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