Life in California
ライフ in カリフォルニア/歴史・習慣
Life in California ライフ in カリフォルニア
2017年10月17日

結婚証明書を出してください

アメリカの生活をご紹介する、こちらの「ライフinカリフォルニア」のコーナー。



cimg3565s今日の話題は、ずばり、結婚証明書。



いうまでもなく、二人が結婚していることを証明する書類ですね。



英語では、the certificate of marriage もしくは marriage certificate と言います。



日本ではあまり馴染みのある証明書ではありませんが、アメリカでは重要な書類のひとつですよ、というお話です。


%e5%a9%9a%e5%a7%bb%e5%b1%8a-%e6%b3%95%e5%8b%99%e7%9c%81まずは日本の場合、「結婚」は「婚姻届」を役所に提出したときに完結しますよね。



一族や友人を招いて結婚式を挙げようと、式はすっ飛ばして二人で暮らし始めようとも、二人が決意して婚姻届に記入・押印し、証人に署名捺印をもらって役所に提出すれば、法的に結婚が成立します。



その後、何かの理由で夫婦関係を証明したい場合は、「戸籍謄本」を取り寄せれば、正式な証明書となりますね。



ところが、アメリカとなると、戸籍の概念がはっきりしていないので、家族関係を証明するのは、日本ほど簡単ではありません。



そう、日本の場合は、昔から国の制度として戸籍(family registry)がきちんと作られていて、その上に、誕生、死亡、結婚、離婚といった情報がきっちりと積み重ねられていくので、人口に関しては、かなり正確な最新の形を把握しています。



戸籍や住民登録は日本じゅうで認識されているし、役所の方でもちゃんと把握しているので、金融機関にしても、勤務先の会社にしても、「戸籍謄本」を見れば夫婦や親子といった家族関係を納得することになります。



ところが、アメリカには、日本のように集中管理された戸籍制度がありません。



州によっては、誕生、死亡(流産、死産も含む)、結婚、離婚といったライフイベントの報告を義務付け、このような人口動態記録(vital records)をデータベース化しているところもあります。



カリフォルニア州では、公衆衛生局がデータベース化に努めていますが、州によって対応はバラバラです。


cimg3568sと、前置きが長くなってしまいましたが、



それじゃあ、アメリカで二人が結婚していることを証明するためにはどうするの? というお話です。



実は、我が家がこれで苦労したんですよ。



我が家は、連れ合いの会社の医療保険制度(医療・歯科・眼科保険)を利用していて、わたしは連れ合いの「扶養家族(dependent)」ということになっています。



今までは何の問題もなかったのですが、どうしたことか、今年に入って「ほんとに法的に扶養家族なの?」という監査(audit)が始まったのです。



これまでは、アメリカで医療保険に加入するのは任意でしたが、3年前に加入を義務付ける「オバマケア」が始まって加入者が激増し、金銭的に補助をする側も真剣にチェックする気になったのかもしれません。



連れ合いの会社が利用している福利厚生の運営会社は、わざわざ専門の監査機関を雇って、扶養家族について調べることになったのです。



でも、最初は、まだかわいかったんですよ。



当初は、自分で専用ウェブサイトにアクセスして、扶養家族を確認するという、自己申告制でした。が、我が家は、監査期間の5月から6月にかけて日本にずっと滞在していて、その手紙(そう、電子メールじゃなくて、紙面のお手紙)を受け取っていなかったんです。



すると、あちらは「監査を無視したね!」と気分を害してしまって、徹底的に「扶養の証拠」を求めてきたのです。



irs-form-1040それで、まずは米国の税務署に毎年提出している「確定申告書」のコピーを提出しました。確定申告の最初の方に、二人で共同に申告する(joint-filing)というページがあって、こちらにきちんと二人の名前が書いてあるからです。



すると、どうしたことか、これじゃあ足りないよ(incomplete)! と、再び督促状が来たんです。



だって、国に「夫婦」として一緒に税金を払っているって言っても、ほんとに結婚しているかどうかわからないでしょ? というわけです。



そのお手紙も、8月末に日本から戻ったばかりのところで封を開けてみると、もう締切日が過ぎているではありませんか! おまけに「もしも今回、法的な関係を証明できなかったら、10月末日で医療保険を打ち切りますよ」と書いてあります。



img_4750sここで困り果てたわたしは、イチかバチか、式を挙げた東京の教会が発行してくれた結婚証明書をファックスしてみたのでした。



ご親切なことに、日本文と英文で証明書を出してくれていたので、そのまま両方をコピーして送るだけでよかったんです。



普通だと、日本の戸籍謄本を英訳して送ることを考えるのですが、手元にあった謄本が一年前のものだったし、英訳する時間もなかったので、結婚証明書を選んだのでした。



すると、あちらも、さすがに教会の牧師さんがサインした証明書にケチをつけることもなく、間もなく「オッケー、監査は終了よ〜」という手紙を送って来ました。



やはり、わたしの読みどおり、キリスト教国では教会が発行した結婚証明書にケチをつけるなんて、考えられないことなんでしょう。


cimg3573sまあ、無事に監査が済んだから良かったようなものの、国の税務署に提出している書類だけじゃ信じられなくて、教会の証明書が必要というのは、なかなか日本の一般常識を超越していますよね!



しかも、いまどき、重要で緊急なお知らせを、わざわざ紙面のお手紙で知らせてくるなんて、時代錯誤ではないでしょうか?



ま、監査の専門機関は、中西部アイオワ州にあるので、確実なコミュニケーション手段は「紙のお手紙」だし、教会の牧師さんの証明書は、国の書類に勝るということかもしれません・・・(と、うがった見方をしたくなるのでした)。



追記: 蛇足ではありますが、アメリカで「結婚」するのは、日本よりもちょっと複雑なようではあります。



img_3829sたとえば、カリフォルニア州では、18歳以上の大人なら誰でも(同性の二人であっても)州内で結婚することは可能です。パスポートや運転免許証といった身分証明書を持っていれば、米国市民権・永住権の必要はありませんし、州の住民である必要もありません。

ところが、ちょっと複雑なのは、「公(おおやけ)の結婚(public marriage)」か「内々の結婚(confidential marriage)」を選択して届け出ることでしょうか。

前者は、少なくとも一人の証人が必要となり、後者は、州に認められた教会の神父さんや牧師さんが式を挙げてくれるのだったら、証人は不要だそうです。また、「公」のケースでは、18歳未満でも保護者の書面での承諾があれば結婚できますが、「内密」のケースは、18歳以上の二人がすでに同居している場合に適用されます。ですから、「内縁関係」にあることを届け出たというものなのでしょう。

教会で式を挙げるか、役所で式を挙げるか、式はしないか、いずれの場合でも、郡(county)の役所に二人そろって書類を提出して、結婚許可書(marriage license)を出してもらいます。そのときに、郡の担当部署が正式に結婚を記録し、証明書を発行できるようになるのですが、これを郡が州に報告して、州がデータベース化に努めます。同様に、赤ちゃんが誕生したときや、誰かが亡くなったときにも郡に届け出て、これを郡が州に報告することになります。

たとえば、今日の話題のように、正式に婚姻関係を証明する必要があれば、結婚した州もしくは郡役所で結婚証明書を出してもらうのが一番確実な方法なのでしょう。でも、州は「内密の結婚」のデータ集めはしていないので、こちらの証明書は届け出た郡役所に申請しないといけないらしいです(なんとも、ややこしい!)。

ちなみに、カリフォルニア州が集めている「公の結婚」に関する記録データですが、一部に漏れはあるものの、1905年までさかのぼるそうですよ。



写真について:結婚式で幸せな表情を見せるお二人は、スペインのバレンシアで撮影させていただいたものです。お二人が向かい合っているところなんて、独特なものがありますよね。




Life in California Search

© 2005-2018 Jun Natsuki . All Rights Reserved.