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ライフ in カリフォルニア/歴史・習慣
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2007年02月15日

2月14日の表情

2月14日は、ヴァレンタインデー。立派な祝日(holiday)なんですね。

正式には、「聖ヴァレンタインの祝日(Saint Valentine’s Day)」といいまして、学校や会社はお休みにはならないけれど、聖なるお祝いの日なんですね。

(祝日というのは、必ずしも休日になるわけではありません。とくに宗教的な祝い事の場合は、お休みになるのはクリスマスくらいでしょうか。)


ヴァレンタインデーは、もともとカトリックの祝日なのですが、この「聖ヴァレンタインさん」に関しては、こういう伝説があるそうです。

時は、西暦3世紀。ローマ皇帝クラウディウス2世の帝政期。「富国強兵」を唱える皇帝は、若い男性の結婚を一切禁じていたのでした。それに反対するヴァレンタイン神父は、隠れて若いカトリック教徒の結婚を執り行っていました。

これに腹を立てた皇帝は、ヴァレンタイン神父を牢屋に入れてしまうのですが、神父の人となりを知った皇帝は、いっぺんに神父が気に入り、彼をローマ古来の多神教に改宗させようとします。

一方、ヴァレンタイン神父は、これを機会にと、皇帝をカトリックに改宗させようとするのですが、これが皇帝の怒りを買い、神父は処刑となるのです。

神父が牢屋に入っている間、看守のひとりが、目の見えない娘をたびたび連れていました。神父と彼女は親しくお話をするようになるのですが、神父が処刑となる直前、彼女にメッセージを記した小さなカードを送り、それがこういう風に結ばれていたといわれます。

「あなたのヴァレンタインより(From your Valentine)」。

これが起源となって、聖ヴァレンタインの命日である2月14日に、思いを寄せる人に、カードを送るようになったといわれています。そして、大事な人のことを「ヴァレンタイン」と表現するようにもなったのでしょう。


ヴァレンタインのお祝いは、もともとヨーロッパで広まったようですが、アメリカには、19世紀になってカードを送り合う習慣がイギリスから伝わって来たそうです。

チョコレートや赤いバラをカードに添えるようになったのは、20世紀に入ってから。

さらに、ダイヤモンドなどの宝石を女性に贈る慣習ができあがったのは、ごく近年のことなんですね。宝石業界の回し者(?)

まあ、もともとの起こりがどうであれ、人々の心の中には、「ヴァレンタインは愛の日」というイメージが刻み込まれていて、この日に婚約するアメリカ人も多いんですよ。

Blue Nileというオンラインの宝石屋さんによると、ダイヤモンドの婚約指輪お買い上げの7割は、一年のうち3日に集中するそうです。

一番人気は、クリスマス。年末のホリデーシーズンで、みんながリラックスしているときですね。

三番人気は、元日。新しい年を迎え、新たな人生の一ページを刻みたいと考える人が多いのですね。

そして、堂々の二番人気は、ヴァレンタインデー。さすがに、「愛の日」の人気は根強いです。

ちなみに、アメリカ式のプロポーズは、男性が片膝を地面に付け、光り輝くダイヤモンドの指輪を女性に差し出すのが儀礼となっております。


この日は、婚約だけじゃなくって、実際に結婚する人も多いそうです。

たとえば、シリコンバレーのサンタクララ郡。サンノゼ市にある郡の役所には、ここで結婚式を挙げようと、いつもよりも倍のカップルが詰め掛けたそうです。

いつもは、この役所のチャペルで結婚するカップルは、平均17組。でも、この日は、40組も結婚したんだとか。それこそ、分刻みのスケジュールだったのでしょうね。

地元の新聞マーキュリー紙も、トップページでこの話題を取りあげています!

Framed for love」とは、写真の「フレーム(額)」と、「愛情の土台」をかけた、うまい表題ですね。


アメリカでは、教会で結婚式(wedding)を挙げ、そのあと盛大に披露宴(wedding reception)を開くカップルも多いです。

けれども、あまり宗教的な儀式を好まない人や、ふたりで静かに挙げたい人などは、証人を連れて、役所で結婚式(civil service)を挙げるケースも多いのですね。
 経済的にあまり余裕のない人たちにとっても、ありがたい役所のサービスとなっているのです。

まあ、結婚証明書(marriage license)は、郡の役所が発行するものです。だから、役所が結婚式を挙げてあげても、何もおかしくありませんよね。

一度、テレビで役所のチャペルを観てみましたが、なかなか雰囲気も良かったですよ。


そうそう、2004年の2月14日は、こんなことがありましたっけ。

サンフランシスコの市長さんが、ゲイのカップル(男性同士、女性同士)の結婚式を市庁舎で挙げてあげたのです。

おもしろいことに、サンフランシスコは、市と郡を兼ねています。だから、市長さん(郡長さん)が、結婚を執り行う権限があったのですね。

あれから、早くも3年。同性結婚を無効にしようと、延々と裁判が続いています・・・

う~ん、個人的には、異性であろうと、同性であろうと、人と人が結びつくのに、性別の垣根は関係ないと思うのですが・・・だって現に、オランダ、ベルギー、カナダ、メキシコ、南アフリカ、スペインでは、同性結婚を認めているではありませんか。


ところで、今年のバレンタイデー。この日のシリコンバレーは、ちょっと肌寒かったけれど、雨もあがって、太陽が降りそそぐ穏やかなお天気でした。

路上には、バラ売りの人たちが立ち並び、行きかう車に向かって「これを買わないと、お家に帰れないよ~」と、赤やピンクのバラの花束を振り上げます。

そんな西海岸を尻目に、東海岸はまったく様相が違っていたようです。数日前からの悪天候が続いていて、ニューヨークの空港では、大混乱が起きていたそうな。

JetBlueという航空会社の飛行機が、嵐でJFK空港を飛び立てず、滑走路に12時間も立ち往生していたとか。機上では、食べ物や飲み物はなくなるし、(トイレの)水は流れなくなるし・・・

そんな飛行機が何機もあって、吹雪のニューヨークから暖かいアリゾナやフロリダに向かおうとしていた乗客は、よりによってヴァレンタインの日に、踏んだり蹴ったりの目に遭ったのでした。


一方、我が家は、連れ合いが出張しているので、静かなものでした。

でも、ちゃんと前もって手配をしていたようで、花とクマさんが届いたのでした。

「それだけ何年も経っているのに、なかなか殊勝な態度(nice gesture)だねぇ」と、お知り合いに妙な感心をされてしまいましたが。

いえ、我が家では、ヴァレンタインデーに出張すると、お花のペナルティーが科せられるのです!!

そして、ヴァレンタインのこの日、お友達のいろんなエピソードも耳にしました。

なんとなく、ほろ苦いものが多いみたいですが、その「ほろ苦さ」も大いに結構。

今なら絶対そんなことしないのに!というようなことでも、若さの勲章みたいなものですよね。

時間というものが、「すごく苦い」を「ほろ苦い」に変えてくれるのです。


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