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ライフ in カリフォルニア/歴史・習慣
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2006年04月15日

イースターってどんな日でしょうか

日本から戻って来たら、いきなりアメリカではワクワクしたような雰囲気が漂っていました。どうしたんだろうと考えてみると、イースターがやって来るからなんですね。

日本ではあまり馴染みがないですが、「イースター(Easter)」は、キリスト教国のアメリカでは、かなり重要な祝日なのです。


「復活祭」とも呼ばれるように、イースターは、十字架にかけられたイエス・キリストが死から復活した日なのです。「グッドフライデー(Good Friday、聖金曜日)」に十字架にかけられたキリストが、3日目の日曜日に復活したことを祝うのです。

イースターは、春分の日(Vernal Equinox)のあと、初めての満月の直後の日曜日と定められています。今年は、3月20日が春分の日で、その後、最初の満月は4月13日でしたので、4月16日がイースターの日曜日となります。

イースター直前の1週間は、聖週(Holy Week)とされ、キリスト教の教会では重要なミサがいくつか開かれます。敬虔なクリスチャンは、木曜日、金曜日と、仕事帰りに教会に向かったりします。
 ローマ・カトリックの総本山であるヴァチカンでも、教皇が司る聖金曜日と復活祭のミサは、一年中で最も大事な行事とされています。


復活祭に向かう日々というのは、敬虔なキリスト教徒にとっては、キリストとともに受難の日々を送る、とても厳粛な期間なのです。

ニューオーリンズのマーディグラ(Mardi Gras)や、リオのカーニヴァルで知られる楽しい火曜日は、「ファットチュースデー(Fat Tuesday)」、つまり、「太った火曜日」とも呼ばれます。
 実は、この大騒ぎの日は、その後続く、厳粛な日々を耐え抜くためのものなのですね。いっぱい食べて、いっぱい飲んで、いっぱい楽しんで、これからの辛い時期を乗り切ろうよというものなのです。

翌日の水曜日(Ash Wednesday、聖灰の水曜日)からは、日曜日を除いて40日間、レント(Lent、受難節)と呼ばれる期間に入ります。人によっては食事を制限したり、好きなものを絶ったりしながら、キリストの受難を考える時期とされています。
 カーニヴァルという言葉は、イタリア語のcarnovale、つまり、「肉よ、去れ!」という言葉から来ているともいわれているのですね。

そして、その辛い日々を乗り越え、キリストが復活した日曜日に到達!

イースターというのは、そんな晴れ晴れとした、喜ばしい日なのですね。


まあ、歴史的な背景を語るとこうなるのですが、実際、アメリカでは、そこまで厳粛な祝日ではないようです。どちらかというと、「何だかめでたい、楽しい日」みたいな感覚でしょうか。

この日は、あちらこちらでイースターのパレードがあったり、商店街がご近所のお祭りを催したりと、お祝いムードが漂います。

子供たちにとっても、楽しみな一日です。昔からこの日は、女の子はきれいなドレスに身を包み、お出かけできるし、子供たちは、「エッグハント(Egg Hunt)」ができる日曜日なのです。

エッグハントというのは、きれいに飾り付けた卵(エッグ)を家の中や庭に隠し、子供たちがそれを探し出す(ハント)というゲームみたいなお遊びです。昔は本物のゆで卵を食用染料で色付けしたりしていましたが、今はイースター用にきれいに包装されたチョコレートやお菓子を使います。

卵やお菓子は、イースターバニー(Easter Bunny)と呼ばれるイースターのうさぎさんが隠したことになっているのです。が、クリスマスのサンタさんと同じように、いつしか子供たちは、親が隠したことを悟るのですね。

うさぎさんや卵、ひよこは、復活の日にちなんで、生命や豊富さ、多産を表すものです。


子供たちの学校や大学なんかも、学期の途中で春休み(Spring break)に入ったりと、イースターは、誰にとってもウキウキした日という感じでしょうか。そして、あたりは、春の到来。そんな陽気も手伝っていますね。

勿論、イースターは日曜日ですので、もともとお休みの日ですが、イースターの前後は休みを取って、どこかにバケーションに出かける人も多いです。クリスマスや感謝祭ほどではありませんが、空港もちょっと混んだりします。

イースターの前々日の金曜日、グッドフライデーは、株式市場はお休みとなります。別にひがんでいるわけではありませんが、取引所は、普通の人がお休みしないときも、しょっちゅう休んでいるようなイメージがあるのです。

逆に、郵便局は、グッドフライデーも翌日の土曜日も通常のスケジュールです。アメリカの郵便局は、土曜日も昼まではやっています。
 土曜日お休みの案が何度も出ていますが、一日お休みが増えると、大量の郵便物を処理しきれないそうです。きっと宣伝なんかのジャンクメールが多過ぎるんですね。

ちょっと話がそれてしまいましたが、子供も大人も楽しめる一日。生命を祝う一日。

これがイースターなのですね。


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