Essay エッセイ
2006年07月29日

友達

日本のお友達から、うれしいお言葉をいただきました。

アメリカはとっても暑いようなので、どうぞご自愛くださいませと。

お恥ずかしい話、ごく最近まで、「ご自愛」という言葉をよく知らなかったんです。でも、考えてみると、自分のことを愛することだから、体を大事にねという意味なんですよね。
 とっても美しい日本語。

英語で言うと、take care of yourselfというところでしょうか。日本語も英語も、結構、発想が似ていますよね。

それにしても、彼女だけじゃないんですね。カリフォルニアの猛暑の話を聞いて、大丈夫かって心配してくれたのは。
 お友達ってうれしいです。どこかに、気にかけてくれる人がいるんですね。


お友達って、いろんなきっかけで知り合いますが、わたしの一番新しいお友達は、ラスヴェガスでお会いしたおじ様たちでしょうか。
 フォトギャラリーのセクションで「いざ、ラスヴェガスへ!」という作品に登場なさった、日本から参加のおじ様たちです。(まだご覧になっていない方は、こちらです。)

まあ、こっちは勝手に「おじ様」とか「お友達」とか呼んでいますが、おふたりとも、業界では名を知られた、偉い方々のようです。

ごく最近、会長さんに退かれた方は、NHKのビジネス番組にフィーチャーされておられました。
 なんでも、最近は外国人の株主が増えたそうで、そういった金融機関の後ろに隠れた、見えない個人投資家が、かなり厄介なのだそうです。株主総会を開くと、相手がどういう対応をしてくるか予測がつかないので、対策に難儀するとか。

ラスヴェガスでお会いしたときは、ワイワイと一緒に楽しんでいたので、そんなことは微塵(みじん)も感じませんでしたが、おじ様たちにも、いろいろとご苦労がおありなのですね。


「おじ様」のお友達といえば、わたしが勤めていたコンピュータ会社の重役も、わたしにとっては、「お友達」だったんです。

フロリダに住んでいた頃、初めてお会いしたのですが、当時、そのおじ様は、本国のアメリカと、日本支社の重役と、両方を兼任されていたのですね。
 まあ、肩書きを見ると、とっても偉そうで、近寄りがたい感じですが、わたしにとっては、初対面の印象が強烈で。

彼はお遊びの勝負事が大好きで、誰かさんのリビングルームで、ホールに見立てたティッシュペーパーに向かって、必死にパットを打っていたという、ほほえましい光景。これが、結構、盛り上がる!大のおとなが、入った、はずしたと、みんなで大騒ぎ。
 その後、わたしもゴルフ仲間に入れてもらって、よくご一緒させていただきました。

でも、わたしがフロリダから帰るとき、戻る部署がなくて困っていたら、手を差し伸べてくれたのです。そういうお力は持っていらっしゃるんですね。
 その後、一年間、このおじ様にお仕え申し上げていたのですが、さすがに、ひとりで重役室に入って、数字をご説明させていただいたときには、緊張しましたね。このときばかりは、「お友達」じゃないですからね。

けれども、ひとたび部屋を出ると、ガラッと変わるんです。わたしが足に大怪我をして松葉杖をついていたときなどは、会社のカフェテリアで、昼ごはんのトレーを運んでくれました。
 まわりは、「おい、彼女、後ろに重役を従えてるぜ」みたいにざわついていましたが、ご本人は、そんなことは、まったく気にしないたち。
 口数が少なく、殺し屋みたいにニヒルなお方ですが、根はとっても優しいのです。


普段、なかなか、世代を超えてお友達になることがないですが、いろんな人と付き合ってみると、今まで見えなかったものがひょっこり見えたりするんですね。
 それは、やっぱり、相手の身になって世の中を見てみようとするからかもしれませんね。

遊び友達って、大事なんですね。

写真のご説明:カメレオンの噴水は、サンノゼの新名所、サンタナ・ロウ(Santana Row)というところのものです。観光名所「ウィンチェスター・ミステリーハウス」の道を隔てた反対側にあります。ここは、おしゃれなお店・レストランと集合住宅の融合した、新しいコンセプトでできた街並みなのです。
 ゴルフ場の方は、シリコンバレー最南端、サン・マーティンという小さな街にあるゴルフ場です。これは、朝早く撮影したもので、ちょうど朝日に照らされた木々が、輝いています。


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