Essay エッセイ
2008年06月20日

暑〜い夏至

今日は、夏至( summer solstice )。

北半球では、一年で一番昼が長い日。

その昼が長〜い一日は、シリコンバレーでは、暑〜い一日となります。

今日の最高気温は、我が家の近くでは、華氏99度(摂氏37度)くらいまで上がるんだとか。もしかしたら、温度計は、もう100度を越えているのかもしれません。

ここ数日は、いやに暑い日々が続き、もうまわりの草原は、カラカラの褐色。前庭の小さな芝生も、とたんに黄色味を帯びてきました。水がいくらあっても、暑い太陽にあえいでいるようです。


そんな夏至には、夏の花もさっさと開花します。

こちらは、アガパンサス( agapanthus、和名:紫君子蘭)。南アフリカ原産の彼岸花の一種です。そういえば、花の形は、日本の赤い彼岸花によく似ていますよね。

こちらの株は、植えた覚えはないのですが、いつのまにか芽吹き、今年から花を咲かせるようになったもの。アガパンサスはあちらこちらに「飛び火」し、生命力はとても旺盛なのです。


こちらは、マグノリア( magnolia、和名:モクレン)。
 夏が近づくと、白い大きめの花を次々と咲かせるのですが、その純白の清楚さと、なんとも言えない、上品な香(かぐわ)しさが気に入っています。

我が家のものは、「小びと(矮性)のマグノリア( dwarf magnolia )」と呼ばれ、丈はあまり成長しません。庭からの眺めを損なわないようにと、小型のものを植えてみたのですが、シリコンバレーでは、10メートルはあるかと思われるモクレンの大木を、あちらこちらで見かけます。
 とくに、パロアルトの閑静な住宅街には、道沿いにずらっと植えられていて、濃い緑の立派な街路樹となっています。


こちらは、オレアンダー( oleander、和名:夾竹桃)。
 夏になると、入れ替わり立ち替わりずうっと咲いているので、庭の彩りとしては、とっても重宝しています。

夾竹桃は、犬などのペットには毒となるので、嫌う人もいるようですが、乾いた土地にも元気に順応するので、我が家のまわりにも、たくさん植えられています。手入れもほとんど必要ないですしね。
 白や赤、淡いピンクに濃いピンクと、色もほんとにあでやかです。


そして、こちらは、お隣さんの赤い花。名前はわかりませんが、毎年この頃になると、グングンと塀を乗り越えて来ては、鮮やかな花を咲かせます。

去年は、庭木担当のおじさんが、塀を乗り越えた時点でチョキチョキと切ってしまって、「せっかく花を楽しみにしていたのに」と、文句を言うことになってしまいました。つぼみがたくさんあるのに、切ってしまったんですよ!

塀のところまで、きっちりと短く刈り込んでいるので、そのときは、お隣さんに謝りの電話をかけたくらいです。

まあ、切った側は、「隣の植物が塀を乗り越えてきたら、切ることになっている」と、四角四面のことを言っていました。が、それにしても、つぼみの頃に容赦なくチョキンなんて、まったく風流さに欠けますよね。

ほら、こんな風に、こちらに垂れて来る様子が、なんとも風情があるでしょう。

日本には、「借景(しゃっけい)」という概念もあるではありませんか。遠くにある山や、垣根を越えて見える樹木を、まるで自分の庭の一部みたいに取り込んで、造園することですね。

だから、お隣の花も、我が家の庭に取り込んでみると、かなり芸術的だと思うのですが。

それにしても、今日は暑いです。

そう思って、部屋の温度を見ると、89度(摂氏32度)もありました!


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