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英語ひとくちメモ/場面
English Words 英語ひとくちメモ
2014年12月18日

Christmas Smiles(クリスマス・スマイル)

もうすぐ、クリスマス。

街はライティングで彩られ、楽しげな買い物客でにぎわいます。

そんなクリスマス直前のひととき、友人のメールでホッと一息。

クリスマスを題材にした「ひとコマ漫画」を集めて、Christmas Smiles(クリスマス・スマイル)と題して送ってきてくれたのです。

というわけで、せっかく彼女が選んでくれたので、ここでいくつかご紹介いたしましょう。

まずは、こちら。

言葉がなくても、しっかりと伝わってきますよね。

雪だるまの強盗が、「金をよこせ」と仲間の雪だるまを脅している図。

雪だるまにとっては、ヘアドライヤーは銃よりも怖いのです。


そして、こちらは、同じヘアドライヤーでも、脅しているのは野うさぎくん。

雪だるまの夫婦が、野うさぎくんと戦っています。

が、どこまでも戦おうとする旦那さんに向かって、奥さんがこう言うのです。

It’s not worth it, Roy! Let’s just give him our noses and let him go!
ロイ、抗戦したって無駄よ。彼にわたしたちの鼻を渡して、さっさと行かせましょうよ!

野うさぎくんは、雪だるまの「鼻」である人参をよこせと強要しているわけですが、ヘアドライヤーの熱には、かないっこありません。

ちょっと細かい話になりますが、

最初の文章の worth it というのは、「~ に値しない」という意味で、つまりは「そんなことしたって無駄よ」という表現になります。

It’s not worth it は、いろんな状況を漠然と指しているので、さまざまな場面で使える万能な慣用句でしょうか。

覚えておくと重宝する表現だと思います。

それにしても、野うさぎくん(hare、発音は「ヘア」)がヘアドライヤー(hair dryer)とは、harehairをうまくかけているのかもしれませんね。


こちらは、同じく人参の「鼻」を題材にしたものですが、ちょっとひねりがあります。

あまりにも「鼻」が大きくて不格好なので、

I want a smaller carrot
 もうちょっと小さい人参が欲しいよ

と、美容整形の先生に相談している雪だるま氏。

そう、cosmetic surgeon は、鼻を高く(低く)してくれたり、あごの骨を削ってくれたりする、美容整形の外科医のこと。

ずっと前に「A nose job(鼻のお仕事?)」というお話で、「鼻のお仕事」とは、鼻を美しくする美容整形か、鼻の機能を治す形成手術のことだとご紹介したことがありますが、鼻を治すのは代表的な手術。

このときは、ハリウッド女優の「鼻のお仕事」が美容か、形成か? と話題になったのでした。

そして、cosmetic surgeon(美容外科医)は、別名 plastic surgeon(プラスティック外科医)とも呼ばれています。

え、プラスチック? と思ってしまいますが、この場合の plastic(プラスティック)は、「自由に形づくる」とか「柔軟性のある」という意味で、プラスティック外科医は美容と形成の両方を指します。

いずれにしても、鼻は顔の真ん中にありますから、がらりと印象を変えてしまいますよね。

「もうちょっと小さな人参を・・・」という雪だるま氏の悩みも、十分に理解できるのです。


そして、こちらは、とってもアメリカ的な漫画です。

精神科医(psychiatrist)のオフィスを訪ねるのは、フルーツケーキ(fruitcake)くん。

フルーツケーキが精神科医を訪れるとは、ちょっと変な光景ですが、浮かない表情の彼の悩みは、こちら。

I feel like nobody really likes me . . .
 なんだか、僕はみんなに嫌われてるような気がする・・・

Nobody really likes me とは、「誰も僕を好きじゃない」という意味ですが、それはなぜかというと、みんなの頭の中には「現代人は、誰もフルーツケーキなんか好きじゃない」という固定概念があるから。

どういうわけか、アメリカでは、フルーツケーキはジョークに使われるんです。

「もう古くさいし、好きな人は誰もいない」という意地悪な意味で。

それは、たぶん、クリスマスにおばあちゃんの家に行ったら、誰も食べないのに、おばあちゃんお手製のフルーツケーキが出てきて、やっぱり誰も食べようとしなかった、という子供の頃の思い出があるからなのでしょう。

フルーツケーキは、リキュールに漬け込んだチェリーやレーズンのフルーツが入ったパウンドケーキで、かなりボリュームのあるデザートです。ですから、今の時代は、ひんやりとしたアイスクリームや、おしゃれなティラミスなんかが好まれるのでしょう。

それにしたって、フルーツケーキって、そんなに「まずい」ケーキではありません。

ですから、いつもジョークの種にされるなんて、ちょっとかわいそうな存在なのでした。


そして、こちらは、

題して「犬たちのクリスマス(Dog Christmases)」。

ワンちゃんたちがくつろぐリビングルームには、立派なクリスマスツリーが飾られています。

それを見て、みんなにこう尋ねるワンちゃん。

Did anyone water the tree?
 誰かツリーに水をやった?

それを聞いて、全員がこう答えるのです。

I did
 うん、僕がやったよ

よく見ると、ツリーの足下には、水たまりができているのでした。

クリスマスツリーというと、本物の木を利用する家庭も多いですね。モミの木(fir)やトウヒ(spruce)と呼ばれる針葉樹が利用されますが、いずれも葉っぱが細いので、すぐに暖房で乾燥してしまいます。

ですから、ときどきツリーに水を吹きかけるといいと言われていますが、こちらのワンちゃんたちは、根元から水をやったようですね。

ワンちゃんの習性をもじった秀作ですが、犬好きの友人ならでは、のチョイスなのでした。

というわけで、クリスマス・スマイル。

日本とは、ちょっと違った雰囲気のひとコマ漫画なのでした。

蛇足ではありますが: 2番目の「雪だるまの夫婦と野うさぎくん」のお話に出てきた It’s not worth it について、もうちょっと説明を。

この文章には、it が2回出てきますが、最初の itfighting(野うさぎくんへの抗戦)、後ろの itrisking our own lives(自分たちの命をかける)を表しています。

ですから、厳密には「このまま抗戦するのは、自分たちの命をかけるに値しない」と言っているわけですが、そんなことを全部 it で表現できるので、とっても便利な言い方なのですね。

というわけで、クリスマスが終わると、日本はお正月の準備で大忙し。「年末の大掃除」も立派に行事に加わります。

ここで格闘するのが、dust bunnies

「ほこりのうさぎさん」というネーミングですが、何のことはない、部屋の隅っこや家具の下にフワフワとたまった、ほこりのかたまり。

まあ、「うさぎさん」と言えば、かわいらしいですが、dust bunnies は、ちゃんと退治しなくちゃいけませんよね!


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