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英語ひとくちメモ/場面
English Words 英語ひとくちメモ
2019年10月31日

Have to go(行かなくちゃ)

英語ひとくちメモ その138



今日は、10月31日。ハロウィーン(Halloween)ですね。



近年は、日本でも大変な盛り上がりを見せていると聞きますが、ハロウィーンといえば、やはり「怪談(ghost stories)」。日本では、お盆の頃に耳にする怪談ですが、アメリカでは、このハロウィーンの時期に全盛となるのです。



アメリカの怪談の代表格といえば、古〜い、呪われた館(a haunted house)でしょうか。どの地方でも、歴史のあるお屋敷には「いまだ昔の住人の魂(spirits)が住みついている」といった言い伝えが残っているものなのです。



黒い影みたいな人物が現れた、誰もいないのに髪の毛を触られた。「なにかお困りですか?」と親切な声が聞こえた、と古い場所にはいろんなエピソードがあるのです。



我が家のあるサンノゼ市にも、有名な「ウィンチェスター・ミステリー・ハウス(Winchester Mystery House)」という古いお屋敷があって、ウィンチェスター銃の発明家の未亡人がつくった摩訶不思議な館には、ときどき未亡人ご自身も現れるとか。



ハロウィーンのあたりには、懐中電灯を使った真夜中の特別ツアーまで組まれているそうで、お化けのエピソードを暗がりで聞いていると、なんとなく「本物」に聞こえてくるから不思議です。




それで、こんな真夜中の怖〜い時間帯を、英語では witching hour といいます(発音は、「ウィッチング・アワー」)。



そう、witch というのは「魔女」という意味ですが、魔女や呪術師が化け物たちと交信しそうな時間帯が、witching hour となります。誰もが寝ている真夜中、魔女が魔物の助けを借りて、魔法をかける時間帯。だいたい午前2時から4時、もしくは午前3時から4時を指すそうです。



なんとなく、日本の古い言葉に似ていますよね。古来、昼間から夜に向かう日暮れ時を「逢魔時(おうまがとき、逢う魔が時)」と言うことがあります。



だんだんと太陽が沈み辺りが暗くなってきて、魔物が横行する夜へと変わっていく時間帯。人の顔もわからないくらいに暗くなってくると、寂しい場所を歩くと「魔物に逢う(遭う)」から気をつけろ、といった戒めの意味も含まれているのでしょう。



そして、かの有名な「草木も眠る、丑三つ時(うしみつどき)」という表現もありますね。



今の時刻では午前2時から2時半を指すそうですが、人々が(草木すら)ぐっすり寝静まり、化け物くらいしか起きている者のいない時間帯。ここで爛々と目を輝かせているのは、化け物たちと、誰かに不幸をもたらそうと呪詛(じゅそ)をかける人間だけということでしょうか。



Witching hour しかり、丑三つ時しかり。洋の東西を問わず、午前2時、3時というのは、(普通の)人間にとって怖〜い時間帯なのです。




そんなわけで、これをキッカケに英語と日本語で似ている表現はないのかな? と考えていました。



すると、変な話ですが、「トイレに行く」というのを思いつきました。



ストレートに言うと、こんな感じでしょうか。



I have to go to the restroom

わたし、トイレに行かなくっちゃ



やはり英語でも、「(トイレに)行く」というのには、go を使います。



まあ、トイレという表現にはいろいろあって、上の「レストルーム」の他に「バスルーム」も使います。そう、日本語では「お風呂場」ですが、バスルームもトイレの表現のひとつとなるのです。



ですから、バスルームを使って、こんな言い方もできますね。



I’ve got to go to the bathroom

バスルーム(つまりトイレ)に今すぐ行きたいのよ



女性の場合だったら、「お化粧直しをしたいわ」とほのめかして、「パウダールーム」と言うこともあります。



Excuse me, I need to go to the power room

ちょっと失礼して、パウダールームに行ってくるわね



こちらのパウダールームという名称ですが、ホテルやレストランだけではなく、普通の住宅でも使います。お客様を招くリビングルーム(客間)の近くにあるお客様用トイレのことを powder room と呼びます。



パウダールームとバスルームは何が違うかと言うと、パウダールームにはシャワーやバスタブはなく、トイレと洗面台だけの場合が多いです。そう、トイレに行ったあと、鏡でお化粧直しをする(パウダーを使う)、といった機能のお部屋となります。(Photo from HGTV.com)



先日、フランスを旅したとき、トイレには「toilette」と表示されていることが多かったです。発音は定かではありませんが、「トイレット」のことですね。



こちらのフランス語 toilette を英語にしたものが toilet ですが、少なくとも米語では、トイレのことを toilet(トイレット)と言うことはあまりないようです。アメリカで toilet を使うのは、トイレ(便器)そのものを指す場合か、toilet paper(トイレットペーパー)と言うときくらいでしょうか。



そして、toiletry(トイレタリー)という英単語も、フランス語 toilette の派生語なのでしょう。歯ブラシ・歯磨き粉、クシやヒゲ剃りと、身づくろいに必要なグッズの総称ですね。




一方、「トイレに行く」ことをぼやかしたい場合には、こんな婉曲的な表現もあります。



Nature’s call もしくは nature call



つまり、「自然の呼び声」「自然が(わたしを)呼んでいる」 といった感じ。(こちらの表現は、どちらかというと男性の方がよく使うでしょうか)



この表現を用いるときには、こんな動詞を使います。



I’m feeling nature’s call

自然の呼び声を感じてる(トイレに行きたいよ)



I need to answer nature’s call

自然の呼び声に答えなきゃ(トイレに行かなくちゃ)



単に Nature call と言いながら、席を立つ。それだけでも相手には十分に通じます。



そして、「トイレはどこですか?」というのも大事な表現ですね。



一番簡単なのは、こちら。



Where is the restroom (bathroom)?

トイレはどこですか?



ちょっと丁寧に言おうかなと思ったら、こんな風になります。



Could you tell me where the restroom is?

トイレがどこにあるか教えていただけますか?



けれども、こんなに面倒くさい表現は使わなくても、Where is the restroom? と言いながら、ちょっと語尾を上げてみると、失礼はないかとも思います。



どんな聞き方をしても、トイレの場所を教えてもらったら、Thank you を忘れずに!




というわけで、witching hour(丑三つ時)が、いつの間にかトイレの話に変わってしまいましたが、先日ちょっと怖いことがあったんです。



まだ真っ暗な時間帯、夢を見ていたなと思ったら、変な物音で目が覚めました。



なにやらキリキリ、キリキリという、リールを巻くような物音。



ドアの辺りから聞こえてくるので、最初は、連れ合いが時差ぼけで起きて、何か仕事でもしているのかと思ったんです。でも、そうやって自分を安心させようとしていると、ベッドの隣で彼はごしょごしょと身動きをしています。



え、だったら、この音は何? 誰かいるの? と聞き耳を立てていると、今度は、だんだんと音がベッドに近づいてくるではありませんか。



そして、連れ合いの脇のナイトスタンドから、カタカタ、カタカタと、時計か写真立てが細かく揺れる音が聞こえるのです。



この時点で、え〜、これはお化けだ! と確信。そのあとは、なかなか寝つけませんでした。



朝起きて、暗い表情でこの話をすると、連れ合いは、こう言うのです。「それは、今日はあなたの誕生日だから、(亡くなった)お母さんがお祝いをしに来たんだよ」と。



確かに、変な物音がしても、ゾッとするような感覚がまったくなかったので、わたしも「そうに違いない」と結論を出しました。



するとそのとき、テレビのローカルニュースでは、我が家のあるサンノゼ市の南で、朝4時過ぎに地震があった、という報道が流れます。



なんだ、あれは地震の揺れのせいで、実際に何かが揺れていたんだ! とわかったのでした。



だって、ハロウィーンは、お化け(ghosts and goblins)が活躍する時期。



何かしら変なことが起きると、「やっぱり、お化けだ!」と勘違いしてしまうではありませんか。



追記: 最後の写真は、ハロウィーンの時期、ゴルフ場で働く「ガイコツさん」。けなげに芝を刈るお手伝いをしていますが、なかなかお上手に見えますよね!




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