English words
英語ひとくちメモ/場面
English Words 英語ひとくちメモ
2013年12月06日

He or she(彼または彼女)パート1

今日は、男性と女性を表す言葉のお話をいたしましょうか。

英語を始めとして、インド・ヨーロッパ語(Indo-European languages)の多くは、性別をはっきりと区別しますよね。

人だけではなく、物だって「男性名詞」「女性名詞」に分かれていたりもします。

それぞれの名詞によって、形容詞まで男性形(masculine)や女性形(feminine)にしないといけないよと、面倒くさいルールがあったりもします。

たとえば、スペイン語では、「かわいい男の子」が chico bonito で、「かわいい女の子」が chica bonita ですが、名詞の後ろの形容詞 bonito が、女の子では bonita に変化しています。


うれしいことに、英語は、性別の区別の少ない言語ではありますが、彼(he)と彼女(she)くらいは、はっきりと区別しますよね。

それから、なにかしら大事なものを擬人化する場合は「彼女」を使ったり、一般的な話をする場合は「彼」を使ったりします。

たとえば、一般的に「人」を語る場合は、he(彼)や man(男性)を使います。

He who says he knows doesn’t know
 自分が知っていると主張する者は、何も知らない
 (この場合は、He who says he knows というのが長い主語となります)

All men are created equal
 すべての人は平等につくられている

こういうケースでは、heman(もしくは menmankind)が使われていても、「人というものは」という一般的な意味になりますね。

さらに、「取締役会/委員会の会長」「ニュース番組のアンカー」「セールスマン」「スポークスマン」といった単語は、語尾に男性を表す ~ man が付きます。

それぞれ、chairmananchormansalesmanspokesman ですが、もともと男性が多い職種だったから、自然とそうなったのでしょう。

一方、「国家」「船」「車」「火星探査機」などは、女性形の she で表現されることが多いです。(写真は、2004年1月火星に着陸した探査機オポチュニティー)

最近では、国家は男性でも女性でもない it で表されることが多いですが、車や船は、だんぜん she のままです。

She is a fine machine
 (あれは)いいマシーンだよ
 (マシーンは、車やオートバイの代わりによく使われる言葉です)

That was her maiden voyage
 それが(船の)初航海だった

やっぱり、男性が好む乗り物は、自分の「彼女」みたいに思っているのでしょうか? だって、車に名前を付けて語りかける男性って意外と多いそうですから!


それで、米語圏の習慣の流れを見てみると、男性とか女性とか、ことさらに性別を区別するのはおかしいということで、性別を「ぼかす」動きもありました。

たとえば、上に出てきたように、「国家」は she ではなく、it と表すことが多いですし、一般的に「人間」を表すときには、he ではなく、he or she(彼または彼女)と発言したり、書いたりすることも多くなりました。

学校の論文を書くときに、he or she 、略して he/she または s/he と書かないと、赤ペンで直される時期もありました。(そう、実際に s/he と書いていたんですよ!)

会長さんやニュースアンカー、セールスマンも、語尾の ~ man~ person(人)に入れ替えて、chairpersonanchorpersonsalesperson と表現することも多くなりました。


ところが、いつの間にかそんな配慮に疲れたのか、また違った動きが出てきました。

語尾の ~ person はやめて、その人の性別によって chairmanchairwomanspokesmanspokeswoman と、きっちりと区別するようになりました。今では、あんまり chairperson と「ぼかす」ことはありません。

その一方で、男性でもない女性でもない「中性形」が登場した言葉もあります。

語尾に ~ man の付く freshman(高校・大学の一年生)という言葉は、女子校だと freshwoman を使うこともありましたが、近年は、first-year(一年目の学生)というニュートラルな呼び名も登場しています。
(複数形は、freshmenfreshwomenfirst-years となります。二年生の sophomore、三年生の junior、四年生の senior は性別の区別がないので、問題にはなりません)

男女を区別する職業も、「ウェイター」waiter と「ウェイトレス」waitress の場合は、「給仕担当者」server で統一し、「男優」の actor と「女優」の actress は、「俳優」を表す actor で統一するといった、ニュートラルな呼び名を採用する動きも見られます。

が、代名詞 heshe になると、ちょっと厄介でしょうか。

いちいち he or she と発言したり、s/he と書いたりするのはちょっと不自然なので、単に he に戻したり、男女どちらでも良い youthey を使ったり、なるべく代名詞を使わなくてもいいような文章構成にしたりと、今でも試行錯誤が続いています。

蛇足ですが、軍隊の新米兵の訓練では、男性兵をわざと Hey, ladies !(レディーたちよ)と呼びかけることも多いです。

「お前たちは男のくせに、女性の体力しかないのか!」という上官の「愛のむち」なんですが、おかしい反面、ちょっと問題かも。

というわけで、パート2に続きます


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