English words
英語ひとくちメモ/おもしろ表現
English Words 英語ひとくちメモ
2012年02月27日

Pantry(食品保存庫)

前回は、Butler’s Pantry(執事の配膳室)のお話をいたしました。

もともとは、イギリスの貴族の館で生まれた言葉ですが、その「高級感」から、今はアメリカの邸宅でも使われています、というお話でした。

けれども、言葉というのはややこしいものでして、ひとつお断りしたいことがあるのです。

それは、butler’s pantry といった場合と、単に pantry といった場合は、まったく意味が異なるということなのです。

Butler’s pantry は「執事でも使えるような配膳のための小部屋」でしたが、単に pantry というと、「食品を保存しておくスペース、食品の保存庫」という意味になります。

たとえば、我が家のケースは、台所にある単なる木製の棚ですし、もっと大きなものになると、ズイズイと奥まで入って行けて、壁に取りつけられた棚に、ずらりと食品を並べられるスペースになります。

(Photo of pantry from Wikipedia)

いずれの場合も、「扉が付いているので、中の食品が見えない」というのがミソでしょうか。ゴチャゴチャとしたものは、扉で隠してしまいましょう、というのがコンセプトですね。

この pantry には、缶詰やシリアル(コーンフレークの類)、ジュースやボトルウォーター、スパゲッティや各種スパイスと、常温で保存できるような食料品を入れておきます。
 ついでに、洗剤やペーパータオルなどの台所用品を入れておく人もいるでしょう。

一般的に、butler’s pantry(配膳室)のあるような邸宅では、でっかい pantry があって、たくさんの食品を保存できるようになっているようです。

これで、地震などの災害時にも大丈夫!?

(いえ、変な話ですが、家を借りようとか、買い替えようと思って誰かさんの家を見に行くと、この pantry に独特のニオイがこもっている場合があるんです。やっぱり、各家庭には、好みのスパイスやら食品があるようでして、自分の好みに合わないと、引っ越したあとにニオイに悩まされることになるでしょう・・・)


そして、前回のお話に関して、もうひとつお断りしておかなければならないことがあります。

Butler’s pantry とは、食事をするダイニングルームと台所の間にある小部屋だとご説明しましたが、この「ダイニングルーム」というのがクセモノなのです。

英語で dining room というと、日本語のダイニングルームとは違って、「お客さま用の食事の部屋」という意味になりますね。

まあ、お客さまばかりではなく、感謝祭とかクリスマスのときは、家族や親戚の身内でも使いますけれども、基本的に、普段の家族の食事には使わない、という意味です。

そう、ちょっとオシャレな、気取った部屋といった感じでしょうか。これも、もしかすると、イギリスの貴族あたりが起源なのかもしれませんね。

さすがに、我が家にも dining room はありますので、多くの住宅に存在する部屋なのです。

親戚が多い家族だと、dining room が大きいという理由で、家を選ぶ人もいることでしょう。


そして、dining room を普段は使わなくなるというのは、扉で台所から隔離されている場合が多いので、いちいち食事のたびにご飯を運ぶのが面倒くさいからです。

ですから、台所の一角で食べられるスペースのある eat-in-kitchen というのが、ごく一般的ですね。

つまり、kitcheneat-in できる、「食事のできる台所」というわけです。まあ、日本語でいう「ダイニングキッチン」といったところでしょうか。

こちらの写真は、サンフランシスコのコンドミニアム(マンション)のモデルルームで、キッチンカウンター(調理台)で簡単に食べられるようになっているケースです。

簡単に食事ができるスペースという意味では、breakfast nook という表現もありますね。

いうまでもなく、breakfast は朝食ですが、nook(ヌックと発音)というのは「引っ込んだスペース」という意味です。
 台所の一角にテーブルを置いて、普段の家族の食事ができる場所、というわけです。


Dining room が「お客さま用」であるのと同じように、英語の living room(リビングルーム)だって、「お客さま用」の色合いが強いですね。

ですから、お客さまが足を運びやすいように、玄関のすぐそばに、living roomdining room が隣接している家が多いでしょうか。(我が家もこのケースで、入って手前と右側がお客さまのスペース、左奥が家族のスペースといった感じに分かれています。)

日本語の「リビングルーム」というと、「家族が一緒に団らんを楽しむ部屋」になりますが、そういった意味合いでは、family room(ファミリールーム)という方が一般的ですね。

家族でのんびりとくつろげる部屋、つまり、family room となったのでしょう。

やはり、living room といえば、「お客さまがいらっしゃったときに、お通しする部屋」といった固い感じになるでしょうか。
 そして、ここに置くソファーやテーブルも、団らんの部屋とは違った印象の、もっとフォーマルなものとなります。

ちなみに、living room の代わりに、sitting room と呼ぶ場合もありますね。

文字通り、「座る部屋」という意味ですが、玄関から入ってすぐにソファーや椅子が並べてあって、ここでお客さまにカクテルやオードブルをお出しし、食事の前にひととき語らう、というような使い方をします。


そんなわけで、dining roomliving room は、結局は使わなくなってしまうので、最近の傾向は、お客さま用の部屋はつくらずに、大きなオープンスペースにしてしまう場合が多いようですね。

どこを「何の部屋」と細かく仕切らずに、大きな空間のスペースごとに「団らんの場所」とか「食事をする場所」とか、特徴を持たせるコンセプトのようです。

たとえば、「ロフト(loft)式」の家は、このコンセプトですよね。

写真は、サンフランシスコの友人宅ですが、玄関近くにベッドルームふたつとバスルームがある以外は、台所、ダイニングルーム、リビングルーム、仕事場と、全部がひとつの空間になっています。

広々として良いのですが、音が大きく反響するので、寝るときに神経質な人には向かないかもしれませんね。

おっと、またまた話がそれてしまいましたが、pantrybutler’s pantry は違いますよ、そして、日本語のダイニングルームと英語の dining room は違いますよ、というお話でした。

写真出典: 我が家の写真は一枚もありませんが、pantry の写真は、Wikipediaから。そして、dining roomliving room の写真は、「家を買い替えようなかぁ?」と思い立ったときに、見に行かせていただいた、近くの家2軒です。

結局、家は買い替えませんでしたが、他の人の家を見てまわるのは、なかなか興味深いことですね。


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