English words
英語ひとくちメモ/場面
English Words 英語ひとくちメモ
2017年04月14日

‘s(アポストロフィ・エス)

ちょっと意外な話ですが、アメリカ人って、ときにメチャクチャな英語を使うことがあるんです。



そうなんです、アメリカで生まれて、英語のネイティヴスピーカーであっても、文法がきちんとしていない場合があるのです。



と言いますか、ネイティヴスピーカーだからこそ、かえって文法なんか気にしないで、フィーリングで使っているのかもしれません。



先日、ご近所さんが参加するソーシャルネットワークを読んでいて、立て続けに文法の間違いを見つけたことがありました。



ひとつめは、こちら。



Me and my neighbor are looking for a contractor that can repair our shared wooden fence



まあ、言わんとするところはわかります。



「僕とお隣さんは、庭の境界線にある木の柵(our shared wooden fence)を直せる修理屋さん(a contractor)を探しています」

と、ご近所さんの助言を求めているのです。



ところが、文法的に言うと、最初の主語が間違っていますよね。



Me and my neighbor というところは、



My neighbor and I となるべきですね。



こちらの Me and my neighbor みたいな表現は、話すときにはよく使われるものです。



本来は間違いではあるんですが、なんとなく、ざっくばらんに聞こえていいと、男性が好んで使う言い方でしょうか。



Me and my wife are going to Hawaii next month

来月、僕とワイフはハワイに行くんだよ



という風に、気を許した相手との会話に使います。



ですから、ビジネスの場とか、壇上のスピーチでは決して使わない表現ですし、書くときには、ちゃんと書きたいものではあります。



My wife and I are going to Hawaii next month



と書くのが無難ですね。(ちなみに、こちらの文章は、近未来の計画について語っているので「現在進行形」になっています)




というわけで、この方の求めに対して、何人ものご近所さんが「この人がいいよ!」と推薦してくれました。



今シーズンは、北カリフォルニアの雨季はとってもパワフルで、自宅の柵が壊れて、修理をしたい人が大勢いらっしゃったのです。



ところが、ある方のコメントを読んで、またギョッとしたのでした。



こちらの男性は、「アレサンドロは、うちでいい仕事をしてくれたよ」と連絡先を書いてくれたのですが、その先にこう書かれていました。



I’ve recommended him to others and everyone have had positive results also

他の人にも彼を推薦したら、みんなもいい結果(positive results)となったよ



と、アレサンドロさんを褒めていらっしゃいます。



ところが、後半の文章の主語 everyone は、単数扱いとなるので、



Everyone have had positive results ではなくて、



Everyone has had positive results というのが文法的に正しいですよね。



もしかすると、単にスペルミスだったのかもしれませんが、ときどき同様の間違いに出くわすことがあります。



そう、「Everyone とか everybody は、単数扱いになる」という規則をすっかり忘れてしまったような人に。



そんな人にとっては、Every single one of them(彼らのうち誰もが)みたいに、主語の最後に「彼ら」という複数形が出てきたら、さあ大変!



「単数扱い」のルールが吹き飛んでしまって、



Every single one of them have passed the exam (examination)

彼らのうち誰もが試験を合格している



と、間違えてしまうかもしれません。



言うまでもなく、



Every single one of them has passed the exam



というのが正しい言い方ですね。




ところで、今日のお題になっているのは「アポストロフィ・エス」。



アポストロフィ・エスというのは、’s のこと。



代表的なものでは、it is を省略するときに、it’s と書いたりしますね。



ごく初歩的な文法ではありますが、



it is の省略形である it’s と、「その」という意味の its を間違える人がいる



と、ご紹介したかったんです。



It’s a nice day today!

今日は天気がいいですねぇ



という場合は、もちろん it’s を使います。



一方、



I have a cute car. Its name is Stella

わたしはカワイイ車を持ってるの。名前はステラっていうのよ



といった場合は、its(その)を使います。



けれども、耳で聞くとどちらも「イッツ」なので、書くときに間違える人が多いんです。



子供の頃から間違ったまま使っている人も多いようで、いつか小学校の先生が it’s の代わりに its と書いていました。



まあ、アポストロフィを書くのは面倒なので、はしょって書いているだけかもしれませんが、そのうちに「あれ、どっちが正しいんだっけ?」とわからなくなってしまうかもしれません。



ですから、ほんの小さな記号ではありますが、アポストロフィは大事なんです。



みんなが頻繁に間違えるからといって、マネはしたくありませんよね。



と、今日はそんなお話でした。






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