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英語ひとくちメモ/おもしろ表現
English Words 英語ひとくちメモ
2020年06月12日

Welcome aboard(歓迎します)!

英語ひとくちメモ その140



本題に入る前に、まずは、新型コロナウイルスに関する近況からどうぞ。



サンフランシスコ・ベイエリアでは、いまだに自宅待機(shelter-in-place、stay-at-home)の命令が解かれていません。



ベイエリアでは、カリフォルニア州全域に先駆けて3月17日に待機命令が発動されたので、もうかれこれ3ヶ月。



世の中の再開(reopening)に向けて、一段階ずつステップを踏みながら、ゆっくりと進んでいるところです。



今のところオフィスは閉まったままですし、お店の営業は、当初はスーパーマーケットやレストランのテイクアウトやデリバリーに限られていました。が、ここに来て、店頭(curbside)での商品の受け渡しが許されつつあります。ニューススタンドでは新聞や雑誌を指定して店先に持ってきてもらいますし、お花屋さんでも店頭から「あのお花ちょうだい」と指さして、花束にしてもらいます。



個人経営のお店にすると、少しでも営業が再開されたのはありがたいことですが、まだまだ店内に顧客を入れることは許されないので、衣料品店など商品を手に取って吟味したいお店は、「もう少し緩和されないと・・・」と不満も残ります。



こちらは、ペンキ屋さんの店先で、ご所望のペンキ缶を渡しているところ。面白いことに、家の修繕や引っ越し、家の売買と、住むことに関しては「essential business(必要不可欠な業種)」とされ、ペンキ屋さんやDIYショップなどの営業再開は早かったです。



一方、飲食・娯楽業界は、まだまだゴーサインは先のようです。



ワイナリーで有名なナパ(Napa)やソノマ(Sonoma)は、もともと人口が少ないし、感染件数も少ないので、ようやく今週からワインテイスティングのお客さんを受け入れることになりました。でも、あくまでもワイナリー内のテイスティングルームに限られ、市中のバーやパブは閉まったままです。



レストランでは屋外での営業(outside dining)が許されるようになってきて、ようやくサンフランシスコでも、今日から屋外営業が解禁となりました。前日は海沿いのレストランでも、パティオ席の準備に余念がありませんでしたが、この街で屋外飲食というのは、夏でも寒いことでしょう。



ショッピングモールはといえば、ほとんどの自治体で閉鎖されたままですし、遊園地の王様、南カリフォルニアのディズニーランドは、7月17日から営業再開するそうです。




そんなわけですので、今の唯一の娯楽といえば、海沿いまでお散歩することでしょうか。



外出禁止令の発動から我が家がサンフランシスコに引っ越してきた5月下旬まで、繰る日も繰る日も、23年間住んでいた家の片づけで多忙を極めていました。が、さすがに引っ越しが済むと、だんだんと落ち着いてきて、お散歩を楽しむ余裕も出てきました。



ここは、湾(San Francisco Bay)まで歩いて15分ほどの距離。観光地ともなっているフェリービルディング(the San Francisco Ferry Building、遠景の青い塔)を中心に、海沿いには大小さまざまな埠頭が並んでいて、今日はどこまで足を伸ばそうかとルート選びに工夫を凝らしています。



以前もどこかでお話ししましたが、サンフランシスコの埠頭(pier、ピア)は、フェリービルに向かって右側が偶数の埠頭、左側が奇数の埠頭と分かれています。



有名なベイブリッジ(the San Francisco-Oakland Bay Bridge)はフェリービルの右手になるので、こちら側は偶数。橋のたもとには「ピア26」「ピア28」そして大きな「ピア30」と、偶数の埠頭が並びます。



一方、フェリービルのすぐ左隣は「ピア1」。観光地として有名な「ピア39」は奇数ですので、フェリービルからかなり左(北西)に離れた場所になります。



「ピア1」の左隣は、「ピア3」。その左手には、お散歩や釣りで人気の長〜い「ピア7」があります。ここは歩行者だけ許されるので、のんびりとお散歩ができます。海に突き出た7番埠頭には、いつも風が吹いていて、ここから振り返ると、ダウンタウンの高層ビル群が近くに迫って見えます。



「ピア3」は、観光船が出る埠頭です。牢獄で有名なアルカトラズ島まで連れて行ってくれる小型クルーズ船や、趣のあるディナークルーズ船サンフランシスコ・ベル号を所有する、Hornblower(ホーンブロウアー)というクルーズ会社の拠点となっています。



もちろん現在は、観光はストップしているので、3番埠頭には出番を待つ何隻もの船が繋がれたまま。なんとなく寂しい感じもしますが、人気(ひとけ)のない静かな埠頭では、大きな船を間近で観察する絶好の機会ともなっています。




そんな中、ふと気がついた、こちらの看板。



Welcome aboard と書かれています。



これは、文字通り「乗船を歓迎します」という意味です。



看板では、「Welcome aboard the “California Hornblower”」「Welcome aboard the “San Francisco Spirit”」と船の名前を挙げて歓迎しています。



Welcome は、「ようこそ」「歓迎します」という意味の間投詞。「よくいらっしゃいました」という歓迎の気持ちをストレートに相手に投げかける言葉です。



Welcome という言葉は、Welcome home(おかえりなさい)という風にも使われます。



こちらは、どこかに旅していた家族を迎える時にも使いますし、ご近所さん同士でも「おかえりなさい」「戻ってくれて嬉しいです」と歓迎の意を表す時に使います。



そして、Welcome aboardaboard は、「(船や乗り物に)乗って」という副詞。



乗り物が出発する前には、All aboard! と掛け声がかかったりします。「間もなく出発するので、みなさん乗車してください」という意味です。



ですから、Welcome aboard というのは、「乗船していただいて歓迎の気持ちでいっぱいです」といった慣用句になります。



ここで思い出すのが、シリコンバレーの会社に勤め始めたころ。



複数のスタッフから Welcome aboard! と歓迎のお言葉をいただきました。



こちらは、会社を船に見立てて、「乗組員になったことを歓迎します」といった感じのポピュラーな表現。そう、誰かが新しく仲間となった時のオシャレな慣用句なのです。



べつに船に興味がない人でも使う言葉ではありますが、米海軍出身のガッチリとした上司に Welcome aboard と言われると、さすがに大きな船を思い浮かべて臨場感たっぷりなのです。




船を思い浮かべる表現には、こんなものもあります。



Tie the knot



「固く紐を結ぶ」ところから転じて、「結婚する」という意味になります。



中世の時代には、結婚の儀で実際に紐を結んで「永遠の愛」の象徴としたという説もあるようですが、わたし自身は、なんとなく船やヨットを岸に繋ぎ止めるロープを思い浮かべるのです。



紐が解けないように、いろんな結び方があると聞きますが、そんな文化から「二人を結びつける紐を強固なものにする」という意味に転じたのではないか? と勝手に想像してしまうのです。




それから、以前もご紹介したことのある uncharted territory という言葉もあります。



こちらは、「地図にもないような未知の(uncharted)領域(territory)」という意味になります。



「地図」というのは、陸地の地図なのかもしれませんが、わたし自身は、勝手に海図を思い浮かべてしまうのです。



大航海時代に、海図にも載っていないような未知の海原に乗り入れる、といった印象を抱く表現なのです。



まあ、言葉というものは、誰が最初にどんな環境で使ったのかという起源(etymology)は不明なことが多いです。ですから、自分自身の勝手な想像で言葉を覚えたって、バチは当たらないのかもしれません。




というわけで、本文である英語のお話が短くなってしまいましたが、今日のお題は、Welcome aboard



誰かが新しく仲間になった時には、Welcome aboard と歓迎してみてください。



それから、余分ついでに。



自粛命令で閉まったままの美容室(hair salon)や理容室(barbershop)。伸びた髪をどうやって切るか? が話題になったりしています。



州知事のギャヴィン・ニューサム氏も子供たちに切ってもらっている写真を公開していますが、カリフォルニアの人たちは、いたっておおらか。「少々変になったって、会社に行けるわけじゃなし、誰にも会わないから構わないよ」と、自分で切る人も多いです。



連れ合いなどは、こんな髪切り機をネットで購入して、「もう行きつけの美容室に通うこともない!」と豪語しています。わたしから見ると、後ろがぺったりとしていて、プロのカットには到底かなわないと思うのですが、「これでいいんだ」と満足しています。



ご近所さんのソーシャルサイトNextDoorが全米でアンケートを取った結果、西側のおおらかさに比べて、東側は「こだわり派」のよう。人に会えなくたって、変な髪型にはなりたくない、と自分では切らない人が多いとか。



西の人はいたってサバサバ、細かいことには、とらわれない。それが、常に新しいことにチャレンジする西部ゆずりの精神なのかもしれません。




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