Life in California
ライフ in カリフォルニア/季節
Life in California ライフ in カリフォルニア
2014年11月22日

Who you(フーユー)?

Who you? というのは、もちろん、正しい英語ではありません。

ある方が編み出した、名前の覚え方だそうです。

「フーユー」みたいな発音になりますが、こちらは富有柿の Fuyu(富有)のこと。

やはり、日本風の名前を覚えるには、何かしら英語の「手がかり」が必要なんでしょうね。

そう、アメリカでも柿を栽培していて、今はの季節。

なんでも、カリフォルニアは、アメリカ全土の柿の年間生産量の98パーセントを栽培しているそうですよ!

柿は、もともと中国から伝わった果物だそうですが、中国系や日系の多いカリフォルニアでは、19世紀中頃から栽培されるようになりました。
 今となっては、スーパーマーケットやファーマーズマーケット(露天八百屋)では立派に市民権を得ています。

Persimmon(パーシモン)と聞けば、多くのカリフォルニアの住民は、柿色の秋の果物を思い浮かべ、あ~、もうそんな時期なのねぇ、と季節の移ろいを感じることでしょう。


一口に「柿」と言っても 2,000種くらいあるそうですが、スーパーでよく見かけるのは、Fuyu(富有柿)と Hachiya(蜂屋柿)。

アメリカ人の説明によると、

富有は、まだカリカリッとかたい(firm and crisp)ときにも食べられるので、リンゴのようにかじって、おやつ代わりに食べたり、皮をむいてサラダに入れたりして楽しめますよ、ということです。

けれども、蜂屋は、ほとんど腐ったかな?(almost rotten)と思うほど、柔らかく(soft)なるまで待たないといけませんよ。そう、ちょうどジャムの柔らかさ(jelly-soft)を思い浮かべてちょうだい。そうしないと、食べた瞬間に口の中にイヤ~な味が広がって、耐えられないくらいだから。

そうそう、暖かい場所に置いておくと、熟しやすいみたいよ、と付け加えてくれました。

だって、蜂屋柿は、もともと干し柿にする柿ですものね。
 そのままでは、皮のタンニンが渋くて(astringent、puckery)食べられないのです。

ですから、干し柿の文化を知らずにカリカリの生で食べてしまったら、「もう二度と買わないわ!」と毛嫌いしてしまうでしょう。

そんな蜂屋柿は、岐阜県美濃加茂(みのかも)市が原産地だそうで、朝廷や将軍へも献上されていた、千年の歴史を誇る果実だとか!

美濃加茂市には足を運んだことがありますが、日本ライン(木曽川)下りでも有名な、しっとりとしたいい街ですよね。水が良質なのでしょうか、日本酒もおいしいです!


というわけで、アメリカで見かける柿。

富有柿のことを「Who you?」と覚えていたのは、近所のオーガニックスーパーのレジのおじさん(お兄さん?)でした。

そう、アメリカでは、男性も喜んでレジ係を引き受けるのですが、テキパキと野菜や果物をレジに打ち込みながら、「これはもう覚えたもんね!」と明るい声で言うのです。

何を言っているのかと思えば、Radicchio(ラディキオ)という野菜。

この野菜の登録番号を覚えているので、番号を打ち込んでおけば、あとはグラムを計ればすぐに値段が出てくるよ、と自慢しているのです。

実は、この Radicchio がクセ者でして、レジの初心者には、なかなか探せないのです。

登録番号を覚えていないと、名前で検索して店のデータベースから番号を引っ張ってくるのですが、その名称登録が Radicchio ではなく、Chicory Radicchio(チコリー・ラディキオ)とインプットされているのです。

まあ、Radicchio はチコリーの仲間ではあるのですが、なにも、わざわざ学名みたいに長い名前で登録しないで、単に Radicchio で登録すればいいではありませんか?

わたし自身も、四苦八苦する初心者さんには「Radicchioっていう名前なんだけど、Chicory から始まるので、アルファベット順に探しているんだったら「C」の欄よ」と教えてあげるのです。

えい、面倒くさい! と、Red leaf lettuce(サニーレタス)でレジを打って、お値段が安くなったことも幾度かありました(そう、Radicchio は割高なのです)。

でも、このレジの達人は違います。

Radicchio を野菜ジュースに入れる「野菜嫌い」の彼と、サニーレタスと一緒にサラダに入れるわたしは、Radicchio談義を交わしたことがあって、お互い、この苦~い野菜の大ファン。

だって、苦い野菜って、体に良さそうな感じがするでしょう?

そんなわけで、レジを打ちながら楽しんでいる彼でしたが、Radicchio のお次は、Shiitake mushroom(椎茸)。

ある子供が Chocolate-covered shiitake(チョコレートでコーティングした椎茸)だと叫んで、お母さんが笑いをこらえるのに必死だったことがあるとか。

椎茸は茶色だから、子供からすると「あ、チョコレートがかかってる!」と思ったんでしょう。

だって、きのこはかわいらしいから、いろんなチョコレート菓子のモデルにもなっているくらいですものね。

ま、それにしても、子供が Shiitake を覚えていたのは偉いことではありますが、もしかすると発音は、「タ」にアクセントのある「シータキー」ではなく、最初の「シ」にアクセントのある「シーラキー」だったのかもしれません。

その方が、なんとなく怪獣っぽいですからね。

追記: ちなみに、このお店では、つい先日、名称登録が変更されたとか。

問題の Radicchio は、Chicory ではなく Greens(菜っ葉類)の仲間となり、「G」で検索しないと出てこない。「もう、慣れるまで大変よ!」と小言をおっしゃる方がいらっしゃいました。

そして、写真にもある蜂屋柿は、購入から一週間以上たちますが、もうちょっと待とうかなと「おあずけ」状態になっています。干し柿は苦手なので、がんばって、軒下につるさいで食べてみたいです。

そうそう、柿と言えば、子供のころに食べた『不老柿』というお菓子が忘れられません。同名の銘菓がいくつかある中で、三重県津市・清観堂さんのものだったと思いますが、干し柿が入っているのではなくて、黄身餡をシナモンの香りの生地で包んだ、デリケートな焼き菓子。もう一度食べてみたい! と願い続けて、ン十年なのです。

後日談: このお話を掲載した翌日、例の蜂屋柿を食べてみました。

単に2週間近くキッチンに放っておいただけなのですが、スプーンですくってみると、実がトロットロ。この口の中でとろける自然のおいしさは、どんなに有名なシェフのデザートもかなわないな! と思ってしまいました。
 カリカリの柿がお好きな方も、干し柿がお好きな方も、ぜひお試しあれ。(アメリカ人の食べ方も、なかなか乙なものですね!)


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