Life in California
ライフ in カリフォルニア/日常生活
Life in California ライフ in カリフォルニア
2015年05月06日

アメリカ人もオシャレになったものですね!

いえ、オシャレといっても、ファッションのお話ではありません。

食べ物のお話です。

食べ物って、舌で味わう前に、目で味わうって言うでしょう。

それが、だんだんとアメリカ人にもわかってきたようなんですよ。

近頃、サラダを瓶に詰めて、お弁当に持っていく「ジャーサラダ」が、日本でも話題になっているでしょう。

なんでも、アメリカ東海岸ニューヨークあたりでブームとなったそうですが、それが日本にも飛び火したのと同時に、西海岸カリフォルニアのあたりでも関心が高まっているようなんです。

瓶メーカー、メイソンのガラス瓶が人気なので、「メイソンジャーサラダ(the mason jar salad)」とも呼ばれ、いろんなレシピが紹介されていますよね。


もともとアメリカの食卓では、忙しい朝は、牛乳をかけたシリアル、昼は、近くのサンドイッチやハンバーガー。そして、夜もあんまり家では料理をせず、近くのファミレスとかフライドチキンのお持ち帰り(take home dinner)で済ませる。

そんな野菜の少ない、栄養バランスの悪い食事が先行していました。

ところが、お肉中心の食生活への反動から、菜食主義の人(vegetarian、vegan)が出てきたり、健康志向から野菜や果物を取り入れる人が増えてきたりと、食生活を見直す人が増えています。



そんな中、脚光を浴びているのが、「サラダをオシャレに食べましょう」というジャーサラダ。

ま、自分の好きな材料を詰めればいいので、「嫌いなもの」なんて入ってないし、瓶詰めだからオフィスに持って行っても匂わない。ドレッシングは底、葉っぱは一番上と分かれているので、サラダがびちょびちょした感じ(soggy)にもならない。

そして、材料が色鮮やかに層になっているので、見た目にも美しい。

そう、目で楽しめれば、サラダがもっと美味しくなるのです。







実際、サンフランシスコの金融街を歩いていたら、お勤め帰りの男性が、皮のかばんからサラダの空き瓶をぶら下げていましたよ!

(ちょっと見にくいですが、真ん中の茶色いジャケットの男性が下げているのが、空瓶です)

へぇ~、男の人なのに、毎朝ちゃんと自分でつくってるのかなぁ? と、ちょっとびっくり。

そして、シリコンバレーの地元紙サンノゼ・マーキュリー新聞では、こんなレシピが紹介されていました。

瓶詰めにするのは、サラダばかりではありません、ボルシチだって OK です、というレシピ。

ゴールデンビート(golden beet)と人参ジュースでこしらえた、新しいスタイルのボルシチです。

ビートは、「てんさい」とか「砂糖大根」とも呼ばれるそうですが、甘い、カブみたいな根菜です。ボルシチには、赤いビートを使うのが一般的ですが、ここではオシャレに黄色いゴールデンビートを使っています。

とろ~りとした色鮮やかな野菜スープになりますが、ビートと玉ねぎは細かく切るか、擦っておくので、フードプロセッサーは必要ありません。


ところで、先日知ったばかりなんですが、四国の徳島には、遊山箱(ゆさんばこ)という、かわいらしいお弁当箱があるそうですね。

江戸時代から春の行事に用いられた行楽用の小さな重箱のことですが、昭和30年代には姿を消していたところが、近年また人気が出てきているそうです。

昔は、桃の節句をはじめとして、何かしらお祝いがあるたびに、遊山箱を持って、お外でご飯を食べる習慣があって、それが、子供たちにとっては楽しみでしょうがなかったとか。

一番上には、巻きずしのご飯物。真ん中には、煮しめなどのおかず。一番下には、羊羹など甘味と、カラフルな引き出しに収められた三段重ねのオシャレなお弁当。

中身がなくなると、どこかの家のお母さんに詰め直してもらうこともあったそうですよ!

そんな風に、子供の頃に愛用していた遊山箱を修理してもらって、「昔の思い出がよみがえってきたました」と、涙を流される方もいらっしゃるんだとか。

それほど、みなさん遊山箱のお弁当を心待ちにしていたのは、おいしいものが食べられるだけではなく、目でも美味しいご飯だったからではないでしょうか。

そして、「運んで」「食べる」を同時に楽しめるなんて、考えるだけでウキウキとしてくるのが人情なんでしょうね。

というわけで、アメリカのジャーサラダと、徳島の遊山箱

かけ離れた場所の「発明品」ではありますが、やっぱり、食べ物を目で楽しむことにかけては、国境など無いのでしょうねぇ。

写真出典:
冒頭のメイソンジャーサラダは、お料理サイト『クックパッド』から、ハートキャンディーさんご紹介の「メイソンジャーサラダ子供が好きな具材で」

2番目のメイソンジャーサラダは、lunchbox.comから「Green Garden Mason Jar Salad」。ニュースサイトThe Huffington Post 昨年6月の紹介記事より

徳島の遊山箱は、「漆器蔵 いちかわ」さんの遊山箱カタログより

そして、サンノゼ・マーキュリー紙紹介の瓶詰めボルシチは、今年1月4日の生活欄より「Golden Beet and Carrot Borscht」。

こちらの「ゴールデンビートと人参のボルシチ」は実際につくってみたので、レシピを簡単にご紹介しましょう:

1. ゴールデンビートのすりおろし(4カップ)と玉ねぎのみじん切り(1/2カップ)を5分ほど炒めて、ワイン酢もしくはアップルサイダー酢(1/4カップ)を加えて1分ほど炒める。
2. 人参ジュース(自家製または既製、3カップ)と水(1カップ)を加えて蓋をしないで弱火で15分ほど煮る
3. ホースラディッシュ(西洋ワサビ、小さじ1)と塩(小さじ1)を加えて味を整え、火からおろして冷ます。冷えたらプレーンヨーグルト(1カップ強)とディルのみじん切り(お好み量)を入れる

ボルシチは冷蔵庫で冷やしておいても良いそうですが、食べる前に一度スープを温めて、(ヨーグルトが分離しないように)冷ましたところでヨーグルトとディルを加えるのがミソだとか。

ゴールデンビートは甘みがあるので、既製の人参ジュースを使うと甘すぎるかもしれません。自家製ジュースがあればベストかと思います。人参ジュースが持つ独特の匂いは、ディルがすっきりと消し去ってくれました。

また、「ボルシチ」なので、ヨーグルトをサワークリームで代用してみましたが、なかなか美味だと思います。

ゴールデンビートを使ったのは初めてでしたが、とろ~りとした栄養満点の野菜スープとしてオススメです!


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