Essay エッセイ
2012年06月22日

わたしの王子様!?

先日、とっても変わった夢を見ました。

そこは、日本の山間部。

山々に囲まれた静かな村には、古風な日本家屋があって、そこには次々とお客さんが入って行くのです。

なにやら、結婚式のようなお祝いが開かれるようで、山奥のお屋敷なのに、海外からも国賓級のお客様が到着しているのです。

海外のお客様は、まるでイギリスのロイヤルファミリーみたいな軍服の礼服をお召しになっているのですが、そんな方々に混じって、なぜかわたしも来賓として招かれているのでした。

と、場面が変わって、わたしの目の前には、若い男性。彼も、ロイヤルファミリーみたいな軍服の礼服をまとっています。でも、それは白い上着に淡いブルーのえりで、とても柔らかな、優しい印象。

そして、身分を表すものなのか、彼の胸には、首飾りみたいな勲章がかけられています。そう、よくヨーロッパの王侯貴族が首のまわりに下げているでしょう、ネックレスみたいな勲章を。

でも、ふと見ると、彼の勲章の飾りは、色とりどりの宝石ではなくって、大きな真珠の粒なんです。そして、薬指にも、小さな真珠玉が縦に3つ並んだ、奥ゆかしい指輪。

なるほど、彼は日本人なので、きらびやかな宝石じゃなくって真珠なんだと感心していると、「花嫁」になるべきわたしの指にも、大きな真珠の指輪が。

そう、いつの間にやら、「来賓」のわたしは、「花嫁」に早変わりしていたのでした。

目の前の男性は、顔はよく見えないのですが、すがすがしい面立ちで、にこやかな表情であることはわかるのです。

ああ、わたしはこれから、この王子様みたいな男性のお嫁さんになるんだぁ・・・

と幸せな気分を味わっていると、そこに、カアッ、カアッとカラスの鳴き声が聞こえてきて、無惨にも夢からさめてしまったのでした。


いえ、わたしは結婚して何年もたっているので、いまさら「王子様」の夢を見るなんてことはありません。でも、もしかすると、その前日に連れ合いが出張から帰って来たので、突発的にメルヘンチックな夢を見たのかもしれません。

まあ、連れ合いは「王子様」というよりも、「王子様の森に住む熊さん」という感じではありますが、やはり「熊さん」でも何でも、帰って来てくれるとホッとするものなのでしょう。

それで、ふと思ったのですが、みなさん、どんな人を「王子様」として追い求めているのだろうかと。

わたし自身は、「背が高くって、カッコよくって」なんていうのはどうでもよかったんです。極端な話、顔なんてついていればいいかな、というくらいに(だって、のっぺらぼうだと怖いですからね)。

それで、一番大切な条件は、自分を尊重してくれる人だと思っていたんです。

自分をそのまま受けとめてくれるという意味もありますが、何よりも、自分の将来設計を一緒になって考えてくれて、それをどんどん応援してくれそうな人。

わたしの場合は、コンピュータ会社で圧倒的に男性が多い環境ではありましたが、なかなか将来設計まで真剣に考えてくれそうな人は見受けられなかったんです。で、そこに「熊さん」が登場してきたのでした。

ま、実際に結婚する段になると、「美女と野獣」だとか「今ならまだやめることもできるよ」とか、いろんな意見が聞こえてきました。
 いえ、自分が美女だと言っているわけではなくて、誰もが「ふたりはまったく違って見える」と思ったのでしょう。

現に、性格も考え方も生活のリズムも、何もかもが違うのですが、結婚したら長い間一緒に過ごすのですから、あまり似通っていなくても支障は無いのかもしれませんね。だって、違っている方が飽きない、という考え方もあるでしょうから。


ところで、最近耳にした話で、「わたしの友人は、3人の男性と真剣につきあっていて、どの人と結婚するかで深刻に悩んでいる」というのがありました。

それを聞いて、「まあ、世の中にはすごい人がいるものだ!」とびっくりしたのですが、それと同時に、その3人って、いったいどういう風に違うんだろう? と興味を持ったのでした。

たとえば、ひとりはものすご~くカッコいい人で、ひとりは性格がとっても良い人。そして、もうひとりはバリバリと出世しそうなエリートタイプとか・・・。

なるほど、すべてを兼ね備えている人なんて、そんなにたくさんいるわけではありませんので、「どれかを選ばなければならない」ことになるのでしょう。

だとすると、自分だったら、たぶん性格で選ぶんだろうなぁ、と想像したのでした。

だって、そのうち顔なんて見飽きるから、見かけはどうだっていいし、出世しそうなエリートタイプと言っても、実際に成功するかどうかは保証の限りではないし。
 だったら、性格の良い人の方が一緒にいて楽しいんだろうなぁ、なんて思ったりしたのでした。

もちろん、人なんて、そんなに簡単に分類できるわけではありませんので、物事はそう単純ではありません。ですから、3人の間で真剣に悩むことになるのでしょう。

だとすると、こういうのも、ひとつの目安となるのかもしれませんね。誰が一番熱烈に自分を欲してくれているのか?


アメリカの「投資の神様」に、ウォーレン・バフェットという方がいらっしゃいますが、この方は毎年、株主に宛てて長いお手紙を書くことで有名です。そう、「神様」みたいに勘の良い方ですから、彼の書かれることはありがたみがあるといって、ビジネス界の誰もが真剣に読むようなお手紙なのです。

そのバフェット氏が今年書いた中に、こんな内容があったそうです。

結婚相手を選ぶなら、あなたを欲してくれそうな中で、一番良い人を選ぶこと(Choose the best person you can find who will have you)と。

なんとなく当たり前みたいに聞こえますが、これって大事なことですよね。つまり、自分を欲してくれている人の中から、ベストな人を選びなさい、ということ。

たとえ自分の想いは深くとも、相手がそこまで自分を求めてくれていないのなら、それは論外。だって、結婚は、一方通行(one-way street)ではないのですから。

それから、べつに差別をしているわけではないのですが、男性側が強く相手を求めている方が、うまく行くケースが多いのではないかとも思ったんです。

その昔、わたしの母も、祖母からこう言われたそうです。

「そこまで相手の方に熱烈に請われるなんて、幸せなこと。女性は、その方がうんと幸せになるのよ」と。

それからずいぶんと時は流れていますが、人と人とのつながりって、基本的にあまり変わってないんじゃないかと思うのです。

そう、もしかすると、探し求めている「王子様」って、どこかで自分を真剣に想ってくれている人なのかもしれませんね。

そうやって考えてみると、王子様は案外と近くにいるのかも。

追記: あじさいの写真は、東京・港区南麻布にある有栖川宮記念公園で撮りました。あじさいの花は、梅雨時のジメジメした心を吹き飛ばしてくれるほど、鮮やかな花ですね。


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