Life in California
ライフ in カリフォルニア/季節
Life in California ライフ in カリフォルニア
2006年12月02日

ホリデー・ブルー

アメリカは、「人種のるつぼ(the melting pot)」と呼ばれますよね。

もちろん、移民の多いアメリカでは、これは当たっているんですが、シリコンバレーのあるカリフォルニアほど、この表現がぴったりな場所はないかもしれませんね。


感謝祭の前日、シリコンバレーの新聞、サンノゼ・マーキュリー紙に、こんな社説が載っていました。

感謝祭のディナーって、アメリカの伝統の権化みたいなもの。

でも、もしあなたが、17世紀のニューイングランド地方の伝統にとらわれているのだったら、今年はちょっと、それを変えてみませんか?
 だって、ここは、21世紀のシリコンバレー。

手始めに、ディナーのオープニングは、日本の味噌汁(Japanese miso soup)をどうぞ。お腹がいっぱいになることなく、うまく食欲をそそってくれます。

サラダには、ローカルなところで、ワトソンヴィル産のほうれん草(Watsonville spinach)、その上にたっぷりとのせた、ポイント・レイエスのブルーチーズ(Point Reyes blue cheese)。

メインディッシュの七面鳥に添えるのは、メキシコのポーク・タマレス(Mexican pork tamales)。そして、ベイエリアのイタリア系住民の伝統ともいえる、近海で獲れたばかりのダンジェネス・クラブ(Dungeness crab)。

野菜の付け合せには、モントレーのアーティチョーク(Monterey artichokes)に、ギルロイのニンニク(Gilroy garlic)をたっぷりとのせて。

炭水化物を好む方は、アフリカン・アメリカンご推奨のコーンブレッドのスタッフィング(cornbread stuffing)。それから、フィリピンからやって来た麺、しっかりお味のパンシット(Filipino pancit)をどうぞ。
 そうそう、サンフランシスコ名物のサワドーブレッド(the San Francisco sourdough)も忘れずに。

もちろん、食事をさらに楽しむには、サンタクルーズ山脈の赤ワイン、ピノ・ノアール(Santa Cruz Mountains pinot noir)。

そして、忘れてはなりません。デザートには、チョコレートトリュフ。サンフランシスコのリキューティ(Recchiuti of San Francisco)か、サンタクルーズのリチャード・ドネリー(Richard Donnelly of Santa Cruz)はいかがでしょうか。

と、まあ、こんな感じです。

いろんな国のお料理に限らず、ローカル産の野菜や名産品が、たくさん出てきていたのでした。

(ふたつめの写真のパンは、サンフランシスコのサワドーブレッドとは違って、酸っぱくないパンです。わたしのお気に入り、ACMEというパン屋さんのものです。)


シリコンバレーは、ハイテク産業のメッカなので、世界各地から人が集まって来ます。それは、アメリカ人にも言えることなんですね。各州から集まって来る。

まあ、子供たちは別として、カリフォルニア生まれの「生粋のカリフォルニア人」なんて、結構珍しいんです。

我が家のまわりをふと見渡しても、純粋なカリフォルニア人はいないような気がします。みんな、実に、さまざまな州から移入して来た人たちなのです。

そんなこんなで、一族が一堂に会する感謝祭やクリスマスともなると、大変なんですよ。


日本では、お盆や年末・年始に帰省する習慣がありますが、アメリカの場合は、11月下旬の感謝祭か、12月のクリスマスのときに帰省するのが一般的なんです。

日本とおんなじで、みんなが一斉に移動するので、感謝祭とクリスマスの頃は、どこも大混雑。

州内や近い州から来ているカリフォルニアの住民は、車で移動するので、道路は大混雑。遠い州だと、飛行機で大陸横断するので、飛行機は満杯。

飛行場は混んでいるし、荷物検査の行列は長いし、乗客が増えるから、その分、無くなる荷物も増える。

しかも、冬は、東海岸なんかでは大雪で飛行機が遅れたりするし。乗り継ぎがあったりすると、もう大変。


まあ、実家にたどり着いた頃には、かなり疲れている人も多いんだと思いますが、それに輪をかけて大変なのが、家族や親戚と長時間を過ごすこと。

もちろん、とっても仲がよく、何の問題も起きない家族もたくさんいるでしょう。
 でも、一般的に、人に対してとっても気を遣うアメリカ人は、こういう一族のお集まりで、疲弊してしまう人もいるのですね。

そんな年末のブルーな気分を表して、「ホリデー・ブルー(holiday blues)」という言葉すらあるのです。

ま、最初の1日や2日はいいでしょう。ニコニコと笑って過ごせばいいですから。

でも、それが3日、4日となってくると、だんだんと小さなことも気に入らなくなってくる。一族の中には、ソリが合わない人が、必ずひとりやふたりはいるものですから。

「う~、あのおじさんに会わなくちゃいけないなんて、なんだか気が進まないなぁ」なんて思っていると、だんだん気分がめいって来る。

それが、典型的なホリデー・ブルーなのです。


アメリカの場合、それに輪をかけているのが、家族構成が複雑なこと。

離婚率が高いので、別れた夫婦の子供をどこの家庭で過ごさせるのか。また、再婚した先の家族は、いったいどこで過ごせばいいのか。

こうなってくると、いろいろとスケジュール表が必要となってくるみたいですね。

近所に住むお友達夫婦は、再婚夫婦。奥さんが、マサチューセッツ州の海沿いの街の出身で、ダンナさんは、内陸のインディアナ州の出身。

ダンナさんの方は、離婚した相手との間にティーンエージャーの息子がいて、インディアナに住んでいます。

ある年、この息子が友達夫婦の家に感謝祭を過ごしに来たのですが、これが、カリフォルニアに来た最初で最後の感謝祭。それ以降は、インディアナの実家で、みんなが集合することになったようです。

この息子くん、カリフォルニアが気に食わなかったのでしょうか、それとも、家族と過ごしたくないお年頃なのでしょうか。

まあ、いくらいい人でも、ステップマザー(stepmother)と過ごすのは、息がつまったのかもしれませんね。

(「ステップ~」という言葉は、再婚後の新しい家族に当てはまる言葉です。たとえば、ステップチルドレンというと、新しく再婚でできた子供たちのことですね。)


ところで、このお友達夫婦。出会いがおもしろいのです。

彼女は、地元出身のダンナさんとの破局を向かえたあと、新しいボーイフレンドに会いに行こうと、飛行機に乗っていました。

そこで、隣に座っていたのが、今のダンナさん。彼も離婚したばかりで、すぐに意気投合したようです。

ダンナさんは、お仕事で飛行機に乗っていたようですが、そこは広いアメリカ。お話する時間はたっぷりあったようですね!

追記:「ホリデー・ブルー」の撃退法として、アメリカのカウンセラーは、こうアドバイスしています。
 まず、どれだけの時間を家族と過ごすか、ちゃんと前もって計画すること。それから、自分の好きなことをする自由時間を作ったり、実家に昔からの友達を呼んで一緒に行動したりすること。

本来は、楽しいはずのホリデーシーズン。心の持ちようで、自分の楽しい方に持って行きましょう、ということでしょうか。


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