Essay エッセイ
2015年11月22日

日本のお巡りさん、がんばる

ある朝、ふと窓の下を見ると、パトカーが止まっています。

 

 ここは、旅先の長崎の街かど。

 

 こんな静かなところにパトカーは不似合いです。

 

 パトカーの中には、お巡りさんがいません。

 

どこへ行ったのかと思えば、

 

 勇ましく防弾チョッキに身を包んだ女性警官が、

 

 シャキシャキと歩き回って

 

 あちらこちらと見回りをしています。

 

 どうやら、あるマンションの下で「不審人物を見た」という通報があったのでしょう。

 

 「Police(警察)」の文字を誇らしげに背にする婦警さん、

 

 ビルの入り口を覗いたり、

 

 階段を数段上ってキョロキョロと辺りを観察してみたりと、

 

 忙しく立ち回ります。

 

おや、こちらは、相棒の先輩警察官。

 

 ベテランそうなお巡りさんで、

 

 マンションの格納庫のドアを開けては、中に不審人物がいないかをチェック。

 

 もう婦警さんがチェックしたのに、建物の入り口を再確認したりしています。

 

 けれども、辺りには誰もいないので、

 

今度は、車のドライバーに話しかけます

 

「誰か、怪しい人物を見かけませんでしたか?」と。

 

 すると、ドライバーさん、我が意を得たりと、

 

「あっちへ行って、右の方にフイっと曲がったよ」と説明している様子。

 

 ということは、「お尋ね者」は、すでに遠くへ逃げたのか?

 

 う~ん、それでも、目撃情報をそのまま鵜呑みにしてはいけません。

 

ですから、お巡りさんの二人組、まだまだマンションの駐車場を歩き回ります。

 

 歩きながら、婦警さんは、

 

「現在、不審人物は立ち去った様子です」と、本部に無線連絡をおこたりません。

 

 その間、先に行く先輩警官は、目の前のコンビニに立ち寄り、

 

「誰か不審人物を見かけませんでしたか?」と

 

 コンビニの店員さんにも確認します。

 

「いやぁ、誰も気づきませんでしたねぇ」という返答だったのか、じきにコンビニから出てくる二人組。

 

 どうやら不審人物は「ガセネタ」だったのか、

 

 それとも、すでに「高飛び」したあとだったのか、

 

 婦警さんは、その旨をテキパキと本部に連絡。

 

先に運転席に乗り込んだ先輩警官に続いて、

 

 「働き者」の婦警さんも、ようやくパトカーに取り込みます。

 

 いやぁ、ご苦労さまでした。

 

 何事もなくて良かったですが、

 

 こういったお巡りさんのがんばりが、日本全国の安全を支えているんですね。

 

それにしても、コンビニの駐車場を立ち去るパトカー、

 

 車の流れに割り込むときには、

 

 まるで緊急に発動するみたいに、赤いライトをぴかぴかしていましたよ。

 

 前回のエッセイでご紹介したアメリカの白バイ隊みたいに、

 

 やっぱり、警察官って「一般市民には使えないワザ」を持っているんですよね。

 

 う~ん、どこの国でもがんばっているお巡りさん、

 

 それくらいの特別待遇は、許してあげましょうか。

 


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